【私のルールブック】(101) どんなに肩身が狭くとも私が煙草を辞めない理由

喫煙者にとって、これ以上肩身の狭い世の中になってもらっては困るのである。それでなくても隅っこに追いやられている訳で、殆ど壁際な訳で。取り敢えず、壁があるから崖下に落ちずに済んでいるものの、壁が崩壊したら死ぬしかない状況なんですよ。『アイコス』も試してみました。JTさんのもチャレンジしてみました。でもね、煙草のようで煙草じゃない。煙草っぽい感じがしない訳ではないが、哀しいかな、“っぽい”レベルなんですよ。この先、どうなっていくんだろう。飲食店でも全面禁止になってしまうのか? 愈々、煙草の値段が1000円を超える日が来るのか? 小籔千豊もとうとう禁煙して、お腹がぽっこり出てきたもんな。ヒロミさんも完全に電子煙草に切り替えたみたいだし、ケンコバは二刀流だが電子煙草派になるのも時間の問題のような気がする。抑々、私は何故そこまで煙草に拘っているのだろうか? 執着しているのであろうか?

煙草を吸い始めたきっかけは、何となく格好いいと思ったからである。煙草を吸っている人がわかり易く大人に映った。早く大人になりたかった。一番初めに吸ったのは親父のシケモクだ。親父の目を盗んで吸ってみた。クソ不味かった。煙を肺に入れることなど到底できなかった。しかし、学校へ行くと、同級生が易々と肺に流し込んで吸っているではないか。負けたと思った。隠れて練習をした。何とか煙を肺に入れられるようになると、今度は持ち方を研究した。通常は人差し指と中指の間に挟むのだが、人差し指と親指で抓むように吸う人もいれば、我々の頃に流行ったのは中指と薬指で挟んで吸うスタイルだ。ただ、こちらは力を入れて煙草を挟むことができないので、ポトンポトンと落としてしまい、流行らせた輩は相当無理をして格好をつけていたことが判明し、真似をするのを止めた。では、煙草の味が旨いと感じるようになったのはいつ頃からなのか? というか、煙草って旨い・不味いの対象になり得るものなのか? 確かに、味は幾種類もある。濃口から薄口、メンソールもあれば、今時はフルーティーなものまでと幅広い。




しかし、どれも「美味しい!」という味に対する満足感ではなく、どちらかというと精神安定剤的な安堵感なんですよね。だって、喫煙者にとって煙草は嗜好品の1つではなく、最早日常生活の一部なんですから。煙草を吸わない人でも、朝、目が覚めたらコーヒーか紅茶が飲みたくなるでしょ? 喫煙者も同じです。起き技けに煙草を先ず吸って、「おえっ」と吐き気を催してからコーヒーを飲むだけの違い。食後にデザートが食べたくなるでしょ? けど、殆どの喫煙者はデザート等に興味はありませんから。食べ終わったら先ず一服。煙草はデザートの代わりにもなるんです。因みに、私は未だに日に80~100本吸っております。要するに、私の主食はニコチンな訳です。ニコチンが私にとっての炭水化物なんです。でも、いつかは…私も辞めるという訳ではなく、煙草を辞めざるを得ない時が来るのでしょう。「煙草を取りますか? それとも命を取りますか?」とお医者様に問われる日が訪れるのだと思います。だからこそ、できればその日までは吸っていたいのです。極力、ご迷惑をお掛けしないように吸いますから。どうか、どうかひとつ!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2017年5月25日号掲載




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