【タブー全開!政界斬鉄剣】(83) 5月14日のミサイル発射実験は明らかに今までと意味が違う!

池田「今週は北朝鮮情勢です。北朝鮮は5月14日早朝、中長距離弾道ミサイルの発射実験を成功させました。多くの人が『またか…』と感じたかもしれませんが、私は『まさか今日とは…』と愕然としました。明らかに、これまでとは意味合いが違います」

――14日に特別な意味が?
池田「この日は、中国の自主政策である“一帯一路(海と陸のシルクロード)構想”の国際会議が初開催される日でした。中国人は面子には異様に拘ります。習近平国家主席は怒りまくったことでしょう。中国は、表面的には兎も角、本気では金正恩政権を打倒する気持ちが無かったことは明らかです。中国にとって、北朝鮮が崩壊して、国連と韓国主導の民主国家が誕生することは断じて容認できません。韓国にはアメリカ軍基地があるので、実質的にアメリカ軍と直接対峙することになるからです。つまり、北朝鮮にとって中国を本気で怒らせることは得策ではないのに、中国の顔に泥を塗るタイミングでミサイルを発射したのです」

――確かにおかしいね。
池田「金正恩氏に領土拡大等の野心は一切ありません。彼は、自分の命と、父親から引き継いだ国家の存続にしか興味がない。しかし近年、自分とよく似た立場の独裁者たちが、アメリカの意向によって地位や命を奪われ続けた。リビアのカダフィ氏、イラクのフセイン元大統領、シリアのアサド大統領らです。彼らは皆、国連加盟国の正式な代表者であったにも拘わらず、です。彼らと同じ運命を辿らない為にも、金氏は保険としての核武装を絶対に譲れない。では何故、中国を怒らせる行動に出たのか? その疑問を解くには、もう1つの不自然な謎を解く必要があります」

――不自然な謎!?
池田「4月の米中首脳会談前後に立て続いたミサイル発射実験の失敗です。より難しい5月14日の中長距離の弾道ミサイルの実験は、着弾の位置までほぼ正確に成功させたとみられている。なのに、より簡単な発射実験を、1度や2度ではなく、4度も連続で失敗するのは明らかに不自然です。これは、北朝鮮が暗にアメリカと中国に示したメッセージだとみていい」




――メッセージって?
池田「核の破棄ではなく、表面的には“失敗続きのレベル”で凍結して、アメリカ本土に到達する長距離弾の開発は止めるということです。金氏の本音は、この妥協案で中国にアメリカを説得してほしかったのだと思います。しかし、米中が出した結論は、金氏が望むものとは全く違うものだったのでしょう」

――米中の結論とは?
池田「FBI長官の解任で批判されまくり、国内の足場がガタガタのドナルド・トランプ大統領にとって、アメリカ国民の目を北朝鮮問題に向けさせることは大きなメリットです。非人道的で国連制裁決議にも違反する金政権を、圧倒的な軍事力で制裁して圧勝することで、支持率は回復する。しかし、問題は“その後”です。金政権の崩壊後にアメリカ主導で民主国家を作れば、中国が黙っていない。だから、表向きは国連主導の下で、事実上、中国の統治下に置くというシナリオで米中が合意したのではないかと思います」

――それに怒って、北朝鮮は14日にミサイルを発射したのか!
池田「そうです。まさに米中という大国のエゴ丸出しの結論ですが、“米中による北朝鮮問題の解決”というのは、国際的には現実的な妥協点とも言える。そんな状況下で、私は所用があって外務省に行ったんです。すると、アメリカ担当の北米局も、北朝鮮担当のアジア大洋州局も、緊張感の欠片も無い雰囲気で呆然としましたね。その足で永田町にも行きましたが、議員会館内も普段通りに平和な空気が流れていた。憤りを通り越して、思わず笑ってしまいました。米中が勝手に描いたシナリオで北朝鮮が崩壊した場合の日本への悪影響については、次週以降で解説しましょう」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2017年6月5日号掲載




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テーマ : 北朝鮮問題
ジャンル : 政治・経済

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