【私のルールブック】(108) 芝居が好きでしつこいヤツ、それが理想の子役の在り方

私がプロデュースをさせて頂いているキッズアクターズスクール『アヴァンセ』も、今年で丸8年を迎える。おかげ様で何とか軌道に乗り、2年程前に私は取締役から外れ、今ではプロデュース業に専念させて頂いている身。起ち上げ当初、「子供たちを相手にする以上、絶対に会社を潰してはいけない」を合言葉に、スタッフの皆さんにはかなりの無理を強いてしまいました。且つ、5年ほどでそこそこ軌道に乗せ、タイミングを見計らって私が経営から身を引くことも、当初から予定していたことでして。ということは、子役を育てるだけでなく、スタッフ=後継者を同時進行で育てなくてはならず、身体も脳味噌もパンパンな状態でしたね。ですが、予定よりも1年ほど時間が掛かってしまいましたが、晴れて2年前、取締役から私の名前を外すことができた次第。その時は、何か嬉しかったな~。少し肩の荷が降りたといいますか、お芝居を伝えることだけに専念できますからね。

恐らく、こちらのスクールだけは、私が芸能界から身を引いたとしても続けていくのだと思います。いや、私がクビになることも充分あり得るな。クビにならない限り続けていくのだと思います…にしておきましょう。子供たちも相変わらず頑張っております。先日も、自宅で何とな~くテレビを観ていたら、CMにウチの子が出ておりまして、トップアイドルの方と堂々と踊っているじゃありませんか。それだけでも嬉しい&有難いのに、その子が個人的にも想い入れのある子でして。何故かというと、決して容姿が恵まれた子ではないんです。で、それをその子自身も親御さんもどこかで自覚しており。でも、芝居が好きで好きでたまらないという子なのです。ね、聴いただけで応援したくなっちゃうでしょ? とはいえ、子役の世界も甘くないですから、オーデションに行っても中々受かりません。芝居は巧いんです。だから、いい所まではいくんですが…中々決まらない。




なのに、彼女は諦めないんですよ。レッスンでも常に前向きで、兎に角しつこい。納得がいかないと、露骨に顔に出る。納得すると、とんでもなく生き生きとする。私は勝手に、これが子役の在り方だと思っています。大人びた子供が子役ではない。大人が扱い易い子供が天才子役ではない。そして、大人の役者だろうが子役だろうが、芝居が好きでしつこいヤツが最終的には結果を得る。まぁ、最後の一文はだいぶ理想が込められているんですがね。でも、彼女はそんな私の勝手な理想論を証明してくれたと言っても過言ではない訳です。「やりたいことを中々見つけられない若い子が増えている」と聴きます。「今時の若者はちょっと叱っただけで直ぐに会社を辞めてしまう」とも耳にします。でも、50にもなった私でさえ、未だにふと考える時があるのです。「俺って本当に芝居が好きなのかな?」って。そんな時、私は子供たちの顔を思い浮かべます。芝居が好きで好きでたまらないあの顔を。だって、一気に恥ずかしくなるから。っていうか、「いい歳こいて“好き”とか“嫌い”とか言っている場合じゃねぇだろ」って思えるから。生きていくつもりなら働けよってね。“好きなのかも”程度でいい。それで飯が食えるなら有難い。でしょ?


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2017年7月13日号掲載




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