【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(121) 森友・加計問題で自民党以上に信頼を失ったのはメディアだった

先日、テレビ番組で森友・加計問題を巡るメディアの報道姿勢についてコメントしました。やや補足も加えながら紹介しますと、以下のような内容です。「メディアとは、自ら能動的に取材し、ファクトを提示するべきものだが、今回は殆どのメディアがその役割を放棄し、野党によるショーアップされた内閣追及に加担し続けた。場合によっては、自民党以上に信頼を失ったのはメディアだったということになるかもしれない」。このコメントは思いの外、多くの賛同を頂いたようですが、メディア(※ここでは最も典型的なテレビを取り上げます)側とユーザー(※情報の受け手)側の両視点から、もう少し掘り下げてみましょう。よく言われることですが、日本のテレビの異常さは、①電波割り当てや記者クラブといった仕組みに守られていること②その為、表向きは“不偏不党”を謳いながら、実際にはそれを都合よく解釈し、大衆がニュースから受ける印象の“操縦桿”を握っていること――にあります。

はっきり言えば“守られ過ぎ”で、様々な誤魔化しがあるのに、視聴者もそのヌルさに慣れ切って何も感じなくなっているのです。一方、例えばアメリカでは、『CNN』や『FOX』から独立系放送局に至るまで、イデオロギーを特化させたりニッチを狙ったりと、市場でユーザーを取り合っています。そして、アグレッシブにインターネットでも発信し、新しいビジネスに繋げる。その進化の過程でフェイクニュースのような“魔物”が生まれることもありますが、未だに報道番組の動画をインターネットに出し渋ることが多く、高齢者をメインターゲットにすることで延命している日本とは大きく違います。こうした日本のメディアが生み出したのは、どこまでも受け身で、情報に踊らされる人々。その危険性を戦前のファシズムに重ね合わせる声もありますが、平均年齢の若い国民が限られた情報の中で熱狂に走った嘗てのドイツと、高齢化もあって活力を失った人々が過剰に溢れる情報を“好きか嫌いか”で偏食し続ける現代日本とは全然違う。それはファシズム前夜というより、映画『ライフ・オブ・ブライアン』(テレキャスジャパン)の世界のようだと僕は感じます。




イギリスのコメディグルーブ『モンティパイソン』が製作し、1979年に公開されたこの超問題作の舞台は、西暦33年のエルサレム。イエス・キリストの隣の厩で同日に生まれたユダヤ人青年のブライアンは、ひょんなことから救世主と間違えられ、どれだけ否定しても信者が増え続け、最後はローマ帝国に目をつけられて磔の刑に…。そんな悲劇を、徹底したコメディータッチで描いています。そこにあるのは、アドルフ・ヒトラーのファシズムを支えたような熱狂や興奮ではありません。何も考えられない・考えたくない人たちが、嘘でも何でも簡単に信じ込み、当惑する本人を余所に、「この人についていきたい、任せよう」と雪崩を打つ群集心理の恐ろしさ・くだらなさです。今の日本は、どちらかというとこのような社会。「アイツが救世主だ」とか「アイツを引きずり降ろせ」というインスタントな“情報の流動食”を人々が食べ続ける限り、“脳の生活習慣病”は治らず、同じことが繰り返されていくのかもしれません。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)等に出演中。


キャプチャ  2017年8月14日号掲載



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