【タブー全開!政界斬鉄剣】(93) 新大臣を思い通りに動かす役人の巧妙な騙しテクニック!

池田「今週は内閣改造が行われる予定です。現時点で閣僚の顔ぶれはわかりませんが、断言できることがあります。それは、誰が入閣しようと、結局は役人の利益の為に働かされるということ。そこで今回は、役人たちが大臣に仕掛ける巧妙な罠の実態を解説しましょう。省庁の役人が大臣に行う報告や相談のことを大臣レクチャー、略して“大臣レク”と言います。大臣レクの存在自体はご存知の方も多いかと思いますが、今回はその裏側を明かします」

――それは知りたい!
池田「先ずは、大臣の1日のスケジュールを把握しておきましょう。朝は8時くらいから閣議や党の部会への出席等で始まります。日中は国会の委員会で答弁をしたり、国や省庁の行事に参加する。夜は大体2~3件ほど予定されている会食や行事に顔を出すので、仕事が終わるのは23時くらい。更に、少しでも空き時間があれば、後援者と会ったり、秘書からの様々な報告を受ける訳です」

――意外と忙しいなぁ。
池田「そんなスケジュールの合間の時間も、大臣レクで埋め尽くされるのです。私が仕えた松岡利勝農林水産大臣(※故人)の場合は、入閣前から農政に精通していたので、大臣レクは1日3~4時間ほどでした。しかし、初入閣の大臣ともなれば、平気で1日6~7時間になるのが普通です。不慣れな疲労の中、連日役人たちから膨大な量の報告を受け、『大臣、では今、報告した通りなので、この案件は了承ということで宜しいですね?』と聞かれ続けるのです。どんなに頭が良くても、次から次へと何十人も押しかけてくる役人を相手に、小さな問題点も聞き逃さずに指摘するのは困難です。役人は、そんな状況を意図的に作り出しているのです」




――それが本当の狙いか!
池田「その結果、大臣本人には覚えが無いのに、了承したことになっているような事案が大量発生する訳です。私が関わった例で言うと、農林水産大臣賞がありました。例えば、菓子なら全国菓子大博覧会というイベントで受賞商品が決まるのですが、大臣秘書官だった私は勿論、大臣本人も、審査はおろか食べたことさえありません」

――えぇ~っ!?
池田「食べる機会があったとしても、受賞後にその会社がお土産として持ってきた時くらい。つまり、受賞者を決めているのは、役人と、彼らと結託した菓子の業界団体幹部自身なのです。当時、私がその呆れた実態に驚いて、役人を問い質したところ、『大臣にはちゃんと大臣レクで報告の上、ご了承を頂いております』と涼しい顔で言われたものです」

――信じられん舞台裏だ。
池田「大臣レクの真の狙いは2つです。先ずは、どんな事案も大臣の了承済みという形にして、大臣を形骸化させること。そして、何か問題が発生した際には、大臣の指示に従っただけの役人は絶対に責任を取らず、大臣に腹を切らせることなのです」

――悪質の極みだな…。
池田「この仕組みは全省庁のスタンダードです。稲田朋美さんの件で話になった防衛省も同じ。自衛隊のPKO派遣は非戦闘地域であることが条件ですが、派遣先で内戦が発生した。しかし、防衛省の役人たちは大臣にも事実を隠蔽した筈です。防衛省の役人は、稲田さんへの膨大な大臣レクで、意図的に目立たぬよう虚偽の報告をしたのでしょう。しかし、隠蔽が表面化したので、大臣を交代させることでうやむやにして、“真犯人”である役人は誰ひとり責任を取らない。この体質は国家公務員だけではなく、地方公務員も同じです」

――東京都庁を見たって、誰も責任を取らないもんなー。
池田「たとえ新市場移転やオリンピック関連で何千億円もの損失が出ても、役人は1人も責任を取らない。安倍首相が一新すべきは、内閣の顔ぶれではなく、役所全体の仕組みなのです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2017年8月14日号掲載

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