【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(130) みんな乱暴に使いすぎ! 日本にはまだ本当の“リベラル政党”がない

「私はリベラルだ」――。先月末、僕の目の前で民進党の前原誠司代表は、確かにそうおっしゃいました。ある番組で、「希望の党との合流で日本のリベラルが消減するリスクを冒してもいいのか?」と僕が質問したのに対し、明確な答えを出さずにはぐらかした後、CMの最中に彼はそう言ったのです。また別の現場では、ある番組の解説員が、希望の党の綱領の中に“多様”という言葉を見つけ、「リベラルな保守かもしれませんね」という内容のことを言いました。しかし、実はゴリゴリの右派政治家である東京都の小池百合子知事率いる新党をリベラルと称するのは、どう考えても無理がある。日本における“リベラル”って、一体何でしょうか? 今回の衆院選では、立憲民主党、日本共産党、社民党が“リベラル”の名の下に結集し、殆どの選挙区で候補者を一本化する等、共闘態勢で臨んでいます。これを受け、多くのメディアは、日本共産党や社民党まで含めて“リベラル勢力”と一括りで呼んでいますが、流石にこの2党をリベラルというのはあまりにも乱暴。リベラルという言葉を曖昧に、都合よく使い過ぎです。

また、分裂する前の民進党も、中にいる右派と左派の意見を足して2で割っていただけで、その実態は世界基準のリベラルとは遠くかけ離れていました。グローバリズムの中で否応なく生まれる1%の勝者と99%の敗者――その“99%”が皆で団結できるという嘘を吐き続け、現実を見ずに綺麗事を並べるばかりでした。本来のリベラルとは、今より良い社会を作るべく、“現実に即した進歩的な政策”を打ち出し、保守側とネゴシエートできる政治勢力です。やるべきことは、貧富の格差を和らげる為に行動しつつ、その一方で社会的弱者が少しでも楽しく生きられるようなカウンターカルチャーを育てる方策を模索すること。同性婚合法、LGBTの権利拡大、大麻解禁、移民受け入れ…。一言で言えば、社会の多様化を促す方向です。また国際的には、一国平和主義ではなく、世界や地域の平和を追求すること。国内だけでなく、海外の人権や平和についても考えるのが本来のリベラルですが、日本の左派政党・論客・活動家は、この視点がごっそり抜け落ちています。




例えば、アメリカのバラク・オバマ前大統領は多様性を体現したリベラルな大統領でしたが、リビアやシリアの独裁政権に対する軍事行動を選択しました。国際平和や人権の観点から、「彼らの暴虐をこれ以上看過できない」と判断したからです。勿論、軍事行動だけが唯一の選択肢ではないにしろ、“ジャパニーズリベラル”は海外の情勢にあまりにも無関心過ぎる。憲法9条の向こう側にどれだけ苦しむ人がいても、ひたすら護憲を呪文のように唱え、解釈改憲反対・派兵反対・駆けつけ警護反対と叫び、左派マスコミもそれを持ち上げる。皮肉なことに、“平和憲法”が真っ当なリベラルを生むチャンスを拒んでしまっていたとさえ思えます。従来の左派がタブー視してきたトピックを纏めて正面突破するような、リアリスティック且つ気合いの入った動きがいつ出てくるか? それが、日本におけるリベラルの誕生になる筈です。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)等に出演中。


キャプチャ  2017年10月30日号掲載



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