【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(136) 独裁者ムガベと南アの関係は“金正恩と中国”に似ている!?

30年以上も独裁政権を維持してきたジンバブエのロバート・ムガベ大統領(93)に対し、国軍が反旗を翻しました。引き金となったのは、嘗て独立闘争を共に戦った側近のエマーソン・ムナンガグワ副大統領(75)を更迭し、自身の死後を見据えて妻のグレース・ムガベ氏(52)を次期大統領に据えようとしたこと。“現代最悪の独裁者”に、遂に終焉の時が近付いているようです。イギリス領南ローデシアと呼ばれていた時代、この国では白人たちが富と権力を一手に握っていました。しかし、1965年から14年間に及ぶローデシア紛争を経て、1980年に独立を果たし、ジンバブエ共和国が誕生します。独立闘争の英雄として国を統治することになったムガベは、当初は白人との融和政策を取り、それなりにバランスの取れた国家運営を行っていた時期もありました。しかし、2000年前後から状況は一転。独立前から白人が運営していた農場の強制収用等、過激な農地改革を断行した結果、国はハイパーインフレに陥り、経済が破綻していきます。

最近では、飢餓に苦しむ国民の救済そっちのけで、多額の国家予算を投じてムガベ大学の創設を計画。国内各地の建造物や道路にも次々と“ムガベ”の名を冠し、首都の国際空港もムガベ空港へと改称されたばかりでした。そんな中、(何かとトラブルを起こす)妻への政権移譲の画策。クーデターは起きるベくして起きたと言えます。では何故、そんな独裁者がこれまで権力を維持できたのか? 1つのカギは、国境を接する地域大国・南アフリカとの関係で、ある意味でこれは中国と北朝鮮の関係に似ています。既にジンバブエから多くの経済移民を受け入れている南アにとって、国が崩壊し、更に多くの難民が押し寄せる事態は最も避けたい。そこで、表向きは厳しいことも言いつつ、実際にはムガベ政権の延命を優先し、援助を続けてきたのです。南アといえば、嘗てアパルトへイトを終わらせたネルソン・マンデラ元大統領(※故人)の融和路線が有名ですが、近年は白人との闘争を煽り、反資本主義・反帝国主義を掲げるポピュリスト野党『経済的解放の闘士(Economic Freedom Fighters)』が台頭。党首のジュリアス・マレマは、ムガベを“白人と戦う指導者”として支持してきました(※最近はその勢いもやや失速し、ムガベ批判に転じているようですが)。




そして、その反白人ポピュリズムに、最近では同国のジェイコブ・ズマ大統領も“乗り始めて”しまっています。国際社会の手前、ズマ大統領は表向きではムガベを批判してきましたが、自身の汚職がバレる等して権力基盤が不安定になると、ムガベやライバル野党も拠り所とする“反白人”というカードに縋るしかなくなってしまったのです。ポスト第2次世界大戦の時代、アフリカの“民族自決”から生まれた独立政権の大半は、デマゴーグ・軍事政権・独裁者でした。ムガベの失脚が他国に“波及”する可能性も指摘されており、あちこちで内部紛争や民族闘争が続くアフリカの“安定”は見えてきません。これは、予て独裁者たちを通り一遍の“甘噛み”で批判しつつ、本気で事態を打開しようとする訳でもなく傍観してきた国際社会の責任でもあるのです。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)等に出演中。


キャプチャ  2017年12月11日号掲載



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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

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