【タブー全開!政界斬鉄剣】(108) 税調が進める“内部留保課税”は財務省の権限を極限まで大きくする

池田「22日から始まった政府・与党の税制調査会が、法人税の制度を変えようとしています。積極的な賃上げや設備投資を行った企業の法人税を軽くしようというのです。これは裏を返すと、企業の内部留保に課税するということ。『企業が儲けた利益を、従業員の賃上げや設備投資等に使わないのなら、事実上の増税をするぞ』という意味です」

――ダメなんですか?
池田「アベノミクスが掲げた当初の目標は、先ず先に大企業を潤して、その恩恵を中小企業等の全体に広げ、最終的に働く国民1人ひとりにまで浸透させようというものでした。しかし実際には、主に大企業が利益を内部留保として貯め込んで吐き出さず、アベノミクスの目論見は足踏みが続いている」

――やっぱり、悪くない税制改革案に聞こえますか?
池田「一見そう思えるのですが、企業側の視点から見ると景色が変わってきます。企業では、売上から人件費等の諸経費を引いた粗利から、更に法人税等の税金を支払い、最終的な残りが純利益となります。内部留保とは、純利益から確保する“貯金”です。例えば、巨額の投資を要するビッグプロジェクトを数年後に遂行したい場合、内部留保を貯め込む必要がある。東京オリンピックの後に景気の悪化が予想される業界なら、数年後以降の従業員の雇用を守る為にも、内部留保を厚くする経営判断だってあるでしょう」

――確かにそうだ!
池田「企業の株主や経営陣は、税率が決まっている法人税を払った後に残る純利益から、中長期的な経営判断をするのです。でも今後は、国の都合で“単年度”で経営を考えさせられる。しかも、会社の賃上げや設備投資が十分かどうかを、経営を知らない役人にお伺いを立ててからじゃないと利益の確定もできないのです。役所は何を基準にして、千差万別な各企業の内部留保が多いのか少ないのかを判断するのでしょうか?」




――役人にわかるわけないねー。
池田「役所の判断で税率が左右される以上、その“判断者”は企業にとって神にも等しい絶対的な権力を持つことになります。その“絶対神”こそ財務 省の官僚になるのです」

――最強の役所が更に強大になっちゃうな…。
池田「その通り。国税庁を抱え、全ての国民や企業から税金を徴収し、その税金を国家予算として全省庁に配ってやるという立場からも明らかなように、元々財務省は霞が関の中でも群を抜いた存在です。しかし意外にも、民間企業に対しては、金融業界を除けば直接的な影響力は少ない。各省庁の権力と利権の結び付きを測るバロメーターでもある役人の天下り先を見れば明らかで、金融関係以外の企業・団体に天下る財務省のOBは意外に少ないのです。しかし、今回の内部留保課税で大きく変わるでしょうね」

――財界は反対しないの?
池田「一応、財界はこの税制改正案に反対を表明していますが、反対キャンペーンと呼べるような規模感ではない。何故か? それは、選挙で入れ替わる政治家と違い、民意と無関係に永続的な国家権力を振るう役所に歯向かえる民間企業がいないからです。このままでは、主要な大企業が挙って『財務省OBの天下り先になりたい』と自ら名乗り出る日も近いでしょう」

――悪い役所だな、財務省!
池田「でも、今回の法人税率の改正は財務省が言い出したものではない筈です。安倍首相と与党側から『企業の内部留保に手を付けろ』と言い出したのです。こうして、バラ色の利権天国が“棚ボタ”で転がり込みそうな財務省にとって、これからが非常に大事な時期となる。税制改正大綱が決定される12月から、今回の税制改正案が可決・成立する来年の通常国会までの半年余り、彼らは思わず溢れ出そうになる高笑いを必死に堪える日々を送ることでしょう」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2017年12月11日号掲載

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