【私のルールブック】(128) 芝居の世界での物作りの虫がそろそろ騒ぎはじめてきました…

愈々、物作りの虫が騒ぎ始めてきた。30代は役者の仕事を放ったらかしにして、殆どの精力を映画作りに傾けていた。すると事務所から、「このままでは会社は潰れますよ」と冷めた口調でお灸を据えられ、暫く大人しくしていたのだが、舌の根も乾かぬうちに、今度は舞台製作に乗り出したのである。役者さんとより近い距離で向き合いたくなってしまいまして、ならば映画もいいけど、編集がきかない舞台だろうと。何本ぐらい作っただろう? やると決めたらとことんの性格故、10年足らずで30本近くの作品を世に送り出したと記憶している。年に3本のペースは、恐らく異常に近い域かと思われます。私の場合は脚本・演出となるので、脳味噌を休める暇は皆無に等しく、スケジュール的にも真面に役者の仕事ができる筈もなく…。

それが今度は、何のご縁かバラエティー番組に呼ばれるようになり、気が付けばMCの重責を任され、今となってはお昼の帯番組を担当している訳ですから、世の中本当に何が起こるかわかりません。有難いことです。だって、MCの枠なんて限られている訳で、その僅かしかない隙間に潜り込ませて頂いたんですから、感謝以外の何物でもありません。ただね、より芝居の世界での物作りは難しくなったんですよ。だって、全然時間取れないんだもん。脚本作りは寝る時間を割けば何とかなりますが、生放送が終わってからの稽古は流石にしんど過ぎる。それに、帯番組以外にもレギュラー番組を抱えさせて頂いていますから、どう考えても無理なんです。とはいえ、抑々バラエティー番組も物作りですから。私の場合は、がっつり内容にまで踏み込んで参加する番組と、演者に専念して一切内容に関しては口出ししない番組とに分けているんですが、どちらにせよ、畑は違えど物作り作業には違いないですから。ただ、やっぱり役者の血が騒ぐといいますか、じっくり物を拵える時間が欲しくなるんですよね。

バラエティー番組が短距離走だとしたら、芝居はマラソンといいますか、映画の脚本に至っては3年掛かりなんて当たり前ですから。正直、やってらんなくなる時なんてしょっちゅうなんです。「冗談じゃねぇよ!」って何度投げ出そうとしたことか。でもね、私がドMだからなのか、その苦痛も含めてどうしようもなく楽しいんですよ。産みの苦しみじゃないですけど、たった一言の台詞を産み落とすまで、大の大人が寄り集まってああでもないこうでもないって作業がね。なので、そろそろなんか作ろうと思います。だって、折角騒ぎ始めた訳ですから。それが舞台なのか映画なのか、監督は無理ですから、脚本なのかプロデュースなのかはわかりません。来年成立するのか、3年、いや5年後なのか。結局10年かかっちゃったよ~なんてこともあるかもしれない。いやいや、不成立って可能性も充分ありますからね。けど、動かないことには何も始まりませんから。そろそろマラソン始めます。先ずは物作り仲間と酒でも飲んで、面白そうな人を紹介してもらって、ああでもないこうでもないを繰り返しながら、騒いだ虫を成仏させてやりたいと思います。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2017年12月7日号掲載

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