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【私のルールブック】(129) 久しぶりに説教をした、「慣れてんじゃねぇよ」

先日、我が社の主要スタッフの子に久しぶりに説教をした。「慣れてんじゃねぇよ」って。以前も“慣れ”について綴りましたが、今回、その子がどんな慣れ方をしていたかといいますと、簡単に言ってしまえば、「経営は順調なんだから、このままでいっか」ってやつです。先ず、順調な時ほど怖がりましょうよ。順調が未来永劫続くなんてことは奇跡に等しい訳ですから。その考え方が嫌なら、更に上の段階の順調さを目指すでもいい訳です。要するに、「わかった風な振りして安穏と胡坐をかいてんじゃねぇよ」ってことです。例えば、プラスが当たり前だった収支が、ある月でマイナスに陥ったとします。とはいえ、これまでずっとプラス収支で業績を伸ばしてきた訳ですから、「来月巻き返せばいっか」という結論で済ませてしまう気持ちもわからなくもない。しかし、私に言わせると、その考えは既にアウトです。「えっ、いくらなんでも早くね?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、ここで手を付けなければならない作業が1つだけありまして、マイナスを招いた要因を出来得る限りの労力を払って洗い出すということ。

その上でないと、「一過性のものだったのか?」「実は、根っこの部分から改善しなければ、会社自体が傾きかねない大きな問題なのか?」の見極めができませんから。経営は数字遊びではありません。理由もなく数字が動くことはあり得ないんです。数字が動きを見せたら、プラスであろうがマイナスであろうが原因を洗い出し、見極める。この作業を怠ることなく、慣れることなく繰り返す。じゃないと、会社って一度傾き始めると後は一気ですからね。「ヤべッ」と思った時には既に手遅れで、「あれ?」と感じた時でも遅いぐらいなんです。そして何より怖いのは、面倒な作業を怠り、怠ることに慣れてしまった人間の「あれ?」って、最早怠け者の五感になっていますから、実際は「ヤベッ」ってタイミングだったりするんですよ。ただ、これはあくまでも私の考えですから、他にももっと理に適ったやり方はあるでしょうし、業種や規模によっても様々だと思います。ですが、やるべきことを怠っての後悔はしたくありませんし、悪い意味で慣れてしまった結果、会社を立ち行かなくしてしまっては、責任ある立場の者として失格ですからね。




子役の頃、よく山岡久乃さんに叱られました。ある時、私が長台詞を言わなければならないシーンがありまして、本番では何とか間違えることなく、監督から一発OKを頂いたんですが、山岡さんが私に近付いて来て、「今の芝居でいいんだね?」と…。正直、未だ小学生の高学年ぐらいでしたから、直ぐに理解することはできませんでした。ですが、改めて振り返ってみると、私はNGを出すことが嫌で、無意識に台詞を置きにいっていたんです。もっと言えば、NGを出さないやり方を覚えてしまった。ガキの癖に悪い慣れ方をしてしまっていたんです。そんな私を山岡さんは直ぐに見抜き、叱った。いえ、叱って下さった。慣れた芝居なんて誰も観たくない。小慣れてしまった人間ほど醜いものはない。慣れに胡坐をかくのは楽だけど、後悔したくないならば、しんどかろうと慣れてしまうことを何より恐れ続けなさい。あっ、自分に言い聞かせているんですよ。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2017年12月14日号掲載


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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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