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【タブー全開!政界斬鉄剣】(112) リニア談合事件の捜査に特捜部が乗り出す意外な理由

池田「新年の最初は、昨年末に発覚したリニア談合事件について解説しましょう。JR東海が手がけるリニア中央新幹線の一部の建設工事を巡り、大林組等の大手ゼネコン4社が談合を行ない、不正な受注をしたという事件です。一見、リニアという巨大事業でゼネコンがまた談合をしたというわかり易い構図に見えますが、超異例な点がある。それは東京地検特捜部が最初から動いている点です」

――どこらへんが異例なの?
池田「普通、大きな経済事件は公正取引委具会が最初に担当するんです。公取委は独占禁止法を所管する内閣府に所属する役所で、ゼネコンの談合事件やメーカーの闇カルテル事件等、数々の経済犯罪を暴いた実績を持つ実力派の組織です。今回のように独占禁止法違反が疑われる経済事件では、先ず公取委が立ち入り調査をして、クロだと結論が出たら告発をする。検察や警察は、その告発を受けてから摘発に乗り出すのが通常の順序なのです」

――そーだったんだ!
池田「基本的に特捜部が担当する事件は、大物政治家や都道府県知事等が絡んだ贈収賄事件、税金や国の資産を巡る不正や公金詐欺事件等、複雑で規模が大きく、警察が簡単に手出しできないような犯罪です。ところが、今回の談合事件では、公取委が“協力”という位置付けに控えさせられ、最初から特捜部が前面に出て捜査している点が超異例なのです。一部の報道では、大手ゼネコン幹部が『何故特捜部が出てきているんだ?』という趣旨のコメントを紹介していました。それだけ今回の件が異例だということです」

――ってことは、事件の背景に大物政治家の汚職があったり?
池田「私はそう思いません。確かに、今回のリニア工事は国家的な規模のプロジェクトですが、実は公共工事ではないんです。建設に税金が投入されていないので。事業主のJR東海は、総額9兆円前後とも言われている建設費用を、自己資金と借入金で賄う計画です。つまり、完全な民間事業なのです。大手ゼネコンが結託して工事費を高値に約り上げることで損をするのは、国や国民ではなくJR東海なのです」

――ゼネコンと結託してJR東海を食い物にしようとした政治家がいる可能性は?
池田「その可能性もゼロに近いでしょう。何故なら、今はそんな影響力を持つ政治家などいないからです。日本列島改造論を打ち出し、公共工事に伝説的な影響力を持っていた田中角栄元首相の時代でも、そんな政治家は数えるほどしかいなかった。私も携った九州新幹線の工事でも、大物政治家が大手ゼネコンの談合を取り仕切って工事に関わることなど難しく、精々が地元業者に下請けをやらせてもらえるように働きかけるくらいでしたね」

――現実はそんな感じかー。
池田「国鉄時代なら兎も角、JRグループで最大のパワーを誇るJR東海は、監督省庁である国土交通省の言うことさえ聞かないほどの巨大民間企業です。その国土交通省も自由に動かせない政治家が、JR東海に大損をさせて大手ゼネコンに儲けさせ、その利益の一部を自分の懐に還元させるなんていう芸当ができる筈がないのです」

――じゃあ、特捜部は何で異例の捜査に乗り出したの?
池田「注目すべきは、JR東海の葛西敬之名誉会長が『自分は財界の安倍晋三応援団長だ』と公言するほど、安倍首相と近い関係にあることです。更に特捜部は、ここ数年大きな事件で特別な実績を挙げられていない。この2要素から察するに、今回の件はゼネコンに食い物にされかかったJR東海が、関係の深い政府中枢の誰かに談合の調査を依頼して、その話を聞きつけた特捜部が飛びついたという構図ではないでしょうか? ゼネコンは調子に乗り過ぎましたね」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2018年1月22日号掲載
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