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【私のルールブック】(137) 弱い者が好きなのである、形勢不利な側を応援したくなる癖が…

弱い者が好きなのである。もっと詳しく説明するならば、「形勢不利な側を応援したくなる癖がある」と言っていい。私の親父は巨人贔屓であった。チャンネル権は親父が独占していたので、自然と野球を観るようになった小学生の私。しかし、観れば観るほど疑問は募る。「強くて当たり前じゃん。あれだけ一流選手を揃えていて弱かったらおかしいでしょ?」。そんな強くて当たり前のチームを熱狂的に応援し、巨人が勝利すると満足そうに日本酒を呷る親父。その時、その刹那、私は「みっともない」と思ってしまったのである。若しかしたら、その瞬間の無意識下の感情が、今の私を作り上げたと言っても過言ではないのかもしれない。以来、小学校でも中学校でも大きな派閥に属することはなかった。何故ならば、あの時と同じ疑問を感じてしまうからだ。「本当に皆、ここにいて楽しいのかな?」「自分の感情を押し殺しているんじゃないの?」。

結果、人知れず集団からフェードアウトして行く私。そして、似たような感情を抱いた少数のクラスメイトと、徒党を組むでもなくひっそりと付き合っていた。それは成人してからも変わらずで、「今年はコレが流行り!」と聞いただけで、その手の服装には意地でも袖を通すことはなく、行列ができる食事処も「並んでまで食べたい物なんてこの世に無い」と言い切っていました。実際は、「少しぐらいなら並んででも食べてみたいな~」と思っていたんですけどね。とはいえ、ある意味、私の多数派嫌い?意固地さ加減?は筋金入りとも言える訳で、そんな性分故、『バイキング』(フジテレビ系)のお話を頂いた際も、「えっ、司会ですか!」の驚きはあったものの、『笑っていいとも!』(同)というテレビ史に残るお化け番組の後番組というプレッシャーは微塵も無かったのです。ただひとつ、いいともは多くの国民から受け入れられた長寿番組であり、ということはそれこそ多数派な訳で、その部分に関してだけは、「そこを引き継ぐのは無理っす」と心の中で密かに思っていたのです。

だって、どう考えたって私に昼は似合いませんし、司会って言われても何をやったらいいんだか…。つくづく、私の起用に踏み切ったプロデューサーさんは病んでいたとしか未だに思えません。とはいえ、引き受けた以上、結果を出して恩返しをするのは芝居もバラエティーも変わらない訳で、私なりにやる気だけは満ちていたんですが…。ここで、ある矛盾に気付いたんです。結果を出しに行くということは、即ち多数派を目指すということにもなる訳で、私が最も苦手とする作業になるのかな、と。芝居をしている時は、そこまで意識をしたことはありませんでした。主役を張る機会が少なかったこともありますが、芝居は集団作業の要素が強いですから。でもね、「もういいかな」って思ったんです。やるだけやって視聴率が上がらなかったら、自然と淘汰される訳ですから。要は“どれだけやれるか”なのかな、と思いまして。何やかんやで、バイキングも5年目に突入します。偏に皆様のおかげです。そして今後も、苦手な多数派を目指して頑張ります!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2018年2月15日号掲載
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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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