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【私のルールブック】(139) 反省しては前を向く振りをし、後悔しては忘れる努力をし…

先日、ふらっとラーメン屋さんの暖簾を潜った。有名店とか行列ができるといった類の店ではなく、仕事の合間で偶々目に入った普通のラーメン屋さん。すると、店に入るなり女性店員さんに顔バレしてしまい、サインをお願いされたので、「勿論いいですよ」と書かせて頂くと…。「書いてもらえるんですね」と店員さん。「いや、そりゃあ書くでしょ」と思いながらも、「何でですか?」と尋ねると、「○○さんがいらした時は、『お仕事中は書きますけど、プライベートでは書かないようにしているので』と断られたものですから」と、どうやらサインを断った某女優さんに不満顔なのだ。取り敢えず同業者なので、「どこかで線を引かないと限が無い場合もありますから、その方も悪気は無かったと思いますよ」とフォローを入れておいたのだが、我々にはありがちな話なのである。今回は偶々私が善人のように映ってしまったが、余所では悪人になっているパターンも多々あると考えられる。

一番困るのは仕事中、まさにカメラが回っている時で、そんな時にサインを求められても書きようがないと思うのだが、中にはカメラが回っていても関係なくサインに応じるタレントさんもいらっしゃるようで、必要以上に丁寧にお断りしても、「誰々は書いてくれたのにね」と比較されてしまうのだ。人は何故、時に比較をしたがるのだろうか? それは恐らく、自身の希望が叶わなかった時に、「何で?」との想いから、不満を込めて比較対象がぱっと脳裏に浮かぶのかもしれない。この場合、私はもれなく悪人になったのだろう。ただね、本当に限が無いんですよ。書けと言われればいくらでも書く用意はあるんです。だって人気商売なんですから。ヨソ様がチャンネルを合わせて下さって、映画館に足を運んで頂いて、DVDをレンタルしてもらってナンボの商売な訳ですから。とはいえ、サインを書く以上に優先しなければならない事も多々ある訳で、そんな時は「申し訳ない」と感じながらも、お断りしなければならないと思うんです。両方に良い顔ができない時ってありますから。

なので、人気商売と言いながら、どこかで嫌われる勇気、誤解される覚悟も持たなければならないのかなと…。でも、人が受ける印象を考えると、怖くなる気持ちも理解できます。時に第一印象が全てになってしまう事ってありますからね。ロケ中に子供がサインを求めて来た。しかし、私は仕事を優先して断ってしまった。結果、その子には“サインを断った人”という印象が根強く残ることになる。思うのは、致し方ないシチュエーションであったとしても、「断ってしまった」とどこかで後悔の念を持ち続けることなのかなと。「しょうがないじゃん」で済ませるのではなく、「ごめんね」の気持ちがあれば…ダメですかね。まぁ、日々こういった事の繰り返しです。反省しては前を向く振りをし、後悔しては一瞬忘れる努力をし、そんなこんなを繰り返しながら、目の前の仕事に如何に集中できるかで勝負が決まっていく。今年もこんな感じか。いや、毎年こんな感じなんですよ。そんな事を47年も繰り返している訳です。あっ、今年で48年か…。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2018年3月1日号掲載
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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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