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【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(147) NGOや国連にまで“MeToo”の波が…リベラルは変われるか?

昨年から世界に広がる“MeToo”の流れもあり、最近では人々を助ける為に組織されている筈の国際NGO等で、職員によるセクハラ、レイプ、性的虐待の実態が次々と明るみに出ています。衝撃的だったのは、イギリスを拠点とする国際NGO『Oxfam』の男性職員による複数の児童買春・レイプ疑惑です。2010年のハイチ地震の際には、救援活動の為に訪れた職員らが宿舎に未成年を含む複数の売春婦を呼び、南スーダンでは職員がレイプ、リベリアでは性的虐待に及んでいたといいます。特に人々の怒りを買ったのは、Oxfamがこれらの問題を隠蔽し、虐待等を行なっていた職員が別の慈善団体に再就職することを“サポート”していたこと。団体の評判を気にし、秘密裏に事を運ぼうとするあまり、ペドファイル(※小児性愛者)に“次なる犯行の舞台”を提供してしまっていた訳です。

更に、同じくイギリスの国際NGO『Save the Children』でも、「未成年者に対する性的虐待が行なわれていた」との報道が飛び出しました。団体側はこれを強く否定していますが、その一方で、「団体内部でセクハラを行なった疑いがある」との理由で、最近、16人もの職員が解雇されるという奇妙な“一斉処分”が行なわれたといいます。他にも同様のスキャンダル発覚は続いていますが、実は国連でも似たような報告は枚挙に暇がありません。例えば、“正義の味方”として紛争地域に派遣されたPKO部隊の隊員らによるレイプや性的虐待は日常茶飯事。それどころか、嘗て「PKOの兵士が現地の少女を買春していた」とのニュースがあった際には、加害者側が「それは少女側が望んでやっていることだから」という趣旨の弁明をしていました。「食べ物やお金等対価を支払っており、双方が納得している」と。因みに、PKOが派遣されるような紛争地域における児童売春の対価は、パン1片だとか1ドルだとか、その程度のものであることもしばしばです。極端に優位な自分の立場を利用し、タダ同然で子供とセックスをする。それを「向こうも望んでいるから強制ではない」と言い切る。本当にどうかしています。

国際的な助け合いの場における、こうしたショッキングな“不都合な真実”が広く知れ渡ってしまうと、「国連もユニセフも所詮は偽善だ」とか、「人道介入しても碌なことはない」等としたり顔で言う一部の人々の言説が力を持ってしまいかねません。例えば、ドナルド・トランプ大統領ならこう言うでしょう。「それ見たことか。そんな詐欺紛いのヤツらにいくらカネを払っても意味がない。アメリカのカネは全てアメリカで還流させたほうがいい」――。世界中で説得力を失いつつあるリベラリズムは、今こそ問われているのだと思います。この汚い現実に当事者意識を持って向き合うか? それとも嫌悪感だけ示して忘却してしまうのか? NGOも国連も、当初の理想は純粋な筈ですが、それだけでは世の中は良くなりません。“如何に実行するか”。ブロックチェーン的に寄付金の行方をトレースしたり、支援の現場で“間違い”が起きない体制を構築したりできるのか? とことん突き詰めるべき時が来ています。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。『スッキリ』(日本テレビ系)・『みんなのニュース 報道ランナー』(関西テレビ)・『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(朝日放送)・『ザ・ニュースマスターズTOKYO』(文化放送)・『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)等に出演中。近著に『挑発的ニッポン革命論 煽動の時代を生き抜け』(集英社)・『悪くあれ! 窒息ニッポン、自由に生きる思考法』(スモール出版)。


キャプチャ  2018年3月12日号掲載
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