【私のルールブック】(144) 変化を嫌う場面があったっていいじゃないか!

前号では、私が受け入れ難いモノというテーマで、好き勝手に書かせて頂いた。コロッケうどん、フルーツカレー、そしてサルエルパンツ、鼻ピアス、へそピアス、べろピアス…。で、〆の言葉として、「受け入れる気持ちに欠けるのが、おじさんだったりするのです」と結んだのですが、書き終えた後にふと考えまして、「おじさんじゃなくて、俺がだろ」と…。私、本当に心が狭いんです。その上、新しいモノを先ずは疑いの目で見てしまう癖がある。否定から入ってしまうきらいがある。例えば、今現在ヒットしている曲を聴かされたとします。すると、受け入れるよりも、無意識に脳が過去に聴いた曲と照らし合わせる作業に入ってしまうのです。で、何かしらの曲と重なり、「いい曲だね」ではなく、「あ~なるほどね」と薄いリアクションに…。そんなもん、素直に聴いて余計なことを考えずにアクションしておけばいいんですよ。なのに、脳が勝手に働き出してしまう。

ただ、これに関しては言い訳のしようもあるといいますか。抑々、全く聴いたことのない音楽って、最早不可能なんじゃないかなと。10歳の頃から音楽に触れ始めたとして、50になるまで何千曲・何万曲も耳にしてきた訳で、そりゃあどこか重なるでしょ。でも、だからってね。似た曲探しをしている訳ではないんですから、ほとほと自分の性格が嫌になります。と言いながら、新しい物に対する拒絶反応も尋常ではありません。特にスマホに対しては顕著でした。「何で携帯電話にパソコンみたいな機能が必要なのよ? 電話っていうぐらいなんだから電話を掛けられればいいじゃん。何でもかんでもくっつけりゃいいってもんじゃないんだよ。そういう物を流行に乗って直ぐ受け入れちゃうから、労力を払って自分の力で調べるって作業を忘れちゃうんだよ。結果、上っ面の知識ばっかり増えて、何も身に付いていなかったりするんだよ」。一見、尤もらしく聞こえますが、こちらに関してはより自覚がありまして。

要はスマホの機能を覚えることから逃げているんです。で、それがバレちゃ困るから、アナログを引き合いに出してスマホを詰り、スマホを使いこなしている輩を時代に巻かれた人間とこき下ろすことによって、自身をむりくり正当化する。はい、私こそが最低の人間でございます。間違いない。でもね、これは言い訳にもなりませんが、そんなに頭の中に入らないですよ。だって、50年間様々な物を脳味噌に溜め込んできて、必要のない物は捨てて、新しい物は取り入れてって隙間を作る作業もしていますが、それだって正直限界がありますから。…いや、やっぱり言い訳でしかないな。言い訳にも劣る。この期に及んで見苦しいにもほどがある。けど、恐らく私は変わらないと思います。反省したふりをしていますけど、変わらないです。いくつになっても変化を恐れない姿勢は美徳とされがちですが、“何に対しても変化=対応できちゃう”っていうのも如何なものか? 意固地と言われようが、変化を嫌う場面があったっていいじゃないか! うん、これでいこう。これこそおじさんの特権だ。ん? 〆が前号と変わっていないぞ。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2018年4月5日号掲載
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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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