天候デリバティブで日照不足備え、太陽光発電向け脚光――損保、需要開拓へ地銀と連携…固定価格買い取り追い風

降雨や曇天が続き日照時間が短くなると、太陽光発電では発電量の減少につながる。こうしたリスクを軽減するために発電事業者が活用するのが天候デリバティブ(金融派生商品)だ。太陽光発電の急拡大とともに注目を集めている。同商品を手掛ける損害保険各社は販売提携先となる地銀との連携を強化するなどで、事業者の需要に応えている。

「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度ができ、状況が一変した」。天候デリバティブを扱う三井住友海上火災保険の担当者は驚きを隠さない。2013年度に天候デリバティブ関連の問い合わせ件数が約300件あり、その多くが太陽光関連だった。東京海上日動火災保険でも2013年9月~2014年8月の照会件数のうち半数超が太陽光だった。問い合わせがすべて契約に結びつくわけではない。それでも、損害保険ジャパン日本興亜では2013年度の契約件数(当時は損保ジャパン)が2012年度に比べ倍増。太陽光向けがけん引役になったという。






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天候デリバティブは降雨や降雪などの天候の変動によって生じる収益の減少を抑えるために使う。太陽光発電では、ある期間の日照時間の累計が損保会社と事業者の間で決めた水準を下回ると、保険会社から事業者への支払いが発生する。自然災害などで発電機器が被った損害額を算定する必要がない点などが損害保険とは異なる。2012年7月の再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の導入後に関心が集まった。損保各社はこれを一過性のブームに終わらせないように手を打ち始めた。販路の面では事業者との関係が深い地銀への営業活動だ。損保ジャパン日本興亜は販売提携先となる地銀や信金の社員向けに説明会を開催している。提携先を現在の20強から2倍に増やす考えだ。

損保独自のリスクコンサルティング事業のノウハウを提供し、発電事業者との関係を強める動きもある。三井住友海上と同じグループのインターリスク総研は太陽光発電の事業性診断に加え、地震や水害、落雷といった自然災害の『ハザード情報』の調査を手掛ける。太陽光発電の着工・稼働は今後も増えそうだが、発電所の立地条件が徐々に厳しくなっている。固定買い取り価格の引き下げで、事業者が採算をとりやすい案件は減っているとされる。一方、地銀や信金にとっては新しい分野だけに、リスク管理を徹底しながら貸し出しを増やしたい。こうした背景から、発電事業者は従来より収益管理を厳しくする必要に迫られている。少しでもリスクを減らすため「天候デリバティブへのニーズが増える可能性がある」(損保ジャパン日本興亜)。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度は関連する金融サービスにも商機をもたらしている。 (三輪恭久)


▼天候デリバティブ 気温や降水・降雪量、日照時間などが急変動することに伴う損失を軽減するために使う金融派生商品のひとつ。例えばスキー用品店は暖冬で降雪量が減ると売上高が落ちるリスクがある。このリスクを回避するため、基準となる地点や期間、降雪量などを金融機関との間で取り決め手数料(プレミアム)を支払う。冬の降雪量が金融機関と取り決めた水準を下回ると、スキー用品店はお金を受け取れる。降雪量が少ないほど、用品店の受取額が増える。この金額には上限を設けることが一般的だ。太陽光発電の場合は日照時間を基準にすることが多い。


キャプチャ  2014年9月26日付掲載
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