変態教師はそこにいる! 急増する学校での性被害、教師による“生徒喰い”の実態

教師から教え子へのわいせつ行為は、決して特別なものではない。この25年で、わいせつ行為により処分された教師の数は40倍に増加している。学校での知られざる性被害の実態をリポートした『スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』(幻冬舎)の著者・池谷孝司氏(共同通信記者)による特別寄稿。

わいせつ行為で処分される教師が急増している。1990年度に懲戒免職になった公立小中学校のわいせつ教師はわずか3人。それが2012年度にはなんと40倍の119人に達した。停職などを含めたわいせつ行為の処分者全体でも、1990年度の22人から2003年度に196人と急増し、高止まりが続く。被害者の半数は教え子だ。教師の質が急に落ちるはずはなく、処分が厳しくなって表面化しただけだ。それでも発覚するのは氷山の一角で、闇から闇に葬られる被害は多い。教師のわいせつ事件は毎日のように報じられる。中3少女(15)の買春容疑で2014年11月下旬に逮捕された26歳の男の勤務先・東京都小平市立上水中学校では、わいせつ事件の逮捕者が3年半で3人目となった。男は出会い系サイトで援助交際募集に応じた少女の年齢を知り、LINEで「我ながらやばい扉を開けちゃうかな」と送っていた。こんな時、校長は判で押したように言うが、上水中の校長も「勤務態度は熱心だった」と話す。

3人のうち、2011年6月に逮捕された理科教師は最も悪質だ。出会い系サイトで知り合った高1少女に2日で約100通のメールを送り、無理やり裸の写真をメールで送信させたうえに脅迫。ホテルで避妊薬と偽って睡眠導入剤を飲ませ、行為に及んだ。自宅からこの少女を含めた99人とのわいせつ映像が写ったDVDが押収され、75人は18歳未満とみられた。中学時代、この男の前任校で授業を受けた女子高校生(17)は、離任式での挨拶が忘れられないという。「壇上で『制服のスカートが短いと聞いてドキドキして来たけど、そうでもなかった』と残念そうでした。いつも授業で開いていたパソコンにはわいせつ画像が入ってたのかも。携帯のプロフで大勢の女の子を誘い、同級生も誘われました。同じ学校だとわかったはずですが」。逮捕者が1校に集中したのは偶然だろう。ただ、市教育委員会の関係者は「もしかして」と話す。「3人のうち最初の2人が逮捕されたのは転勤してすぐ。前任校で問題があって異動になった可能性は否定できません」と。「まずい」と気づいても、管理責任を恐れ、校長が黙って異動させる例は珍しくないからだ。




『スクールセクハラ』という言葉をご存じだろうか。学校で起きる性被害だ。教師同士や生徒同士の場合もあるが、特に根深いのは教師から教え子へのわいせつ行為だ。買春などで教師が逮捕されると派手なニュースになりやすい。しかし、教師から教え子への被害はあまり大きく報道されない。被害者や親が望まずに逮捕を免れることも多く、せいぜい懲戒免職になる程度で、教師が否定して事実がはっきりせず転勤を繰り返すことも珍しくない。そもそも、被害者はなかなか相談できない。“問題先送り”で最も被害が拡大するのは、こうした教師から教え子への事件だ。広島高裁は2010年3月、教え子の小学生10人への強姦などの罪で元教師の男に懲役30年を言い渡した。検察は19年間で27人の女児が乱暴されたと指摘した。校内の部屋に女児と2人でいるのを見とがめられても口頭注意だけ。別の小学校でも女子トイレから女児と出てきたのを同僚が目撃し、校長から「転勤してほしい」と言われていた。何度も止める機会があっても放置され、悲劇は拡大した。被害者の半数を占める教え子へのわいせつ行為は、もっと問題にされるべきだ。私はこうしたケースを『スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』(幻冬舎)という本にまとめた。小中学校で被害者がいかにつらい目に遭っているかを紹介し、加害者の心理も長時間のインタビューを元に描いた。

取材して感じたのは、被害者と加害者の意識のギャップだった。被害者は“先生”として見ているが、加害者は“男と女”として見ているのだ。キーワードは“権力”と“支配”。教師は強い権力を持ち支配したがる。それは無自覚のうちに行われる。ある女子高生は進路指導の面談で、担任に「カラオケに行こう」と誘われた。「断ったら内申書を悪く書かれるかも」「まさか担任が変なことはしないだろう」と散々迷ってついていく。車に乗せられ、「この辺ではカラオケはホテルにしかない。変なことはしない」と騙されて部屋に入った途端、乱暴された。担任はその後も関係を続けようと、「推薦入試で優遇する」「定期テストの問題を見せる」と持ちかけた。卒業して8年後、女性は男と対決する。「嫌で抵抗した」と言うと、男は「嫌よ嫌よも好きのうちだと思った」と抗弁した。「お前もその気があると思った」と。それでも事実を認めただけマシで、この教師は懲戒免職になった。小6女児とホテルでわいせつ行為をして逮捕された小学校教師は哀れだ。3年の時の担任で、母子家庭につけ込んで世話好きな先生を演じ、女児が4年生になると毎週のように“デート”をした。「ロリコンではない。他の小学生に性的興味は抱かない」と話し、「10歳だから好きになったのではなく、好きになった相手が10歳でした」と言う。女児は父がいなくて、日曜はひとりぼっちで寂しかったのだ。だから「先生、大好き」と擦り寄り、“肩たたき券”や“チュー券”までプレゼントした。それを「大人の恋愛と勘違いした」と振り返る。教師も孤独だった。逮捕後は「まじめな人がなぜ」と驚かれた。「教え子とは“特別権力関係”にあり、教師の権力を使って教え子を思い通りにした」と法廷で言われて、教師は衝撃を受ける。「権力を握っているとは思いませんでした。多くの先生は、権力があるなんて考えたこともないと思います」

教え子が好意を寄せても断るのが教師の務め。小学生なら多くの人は一笑に付すが、中高生だとどうか。禁断の恋はドラマや小説の題材にもなるが、やはり御法度だと徹底する必要がある。ある教育委員会を取材した時、職員が同僚を見回してこう言った。「半分ぐらいは教え子と結婚してますよ。だから大きなことは言えません」。教育委員会の職員には教師出身者が多い。一定期間が過ぎれば現場に戻る。職員はこんな話もした。「後輩の教師から相談を受けたんです。『教え子と深い関係になった。どうしたらいいか』と。私は『教師をやめろ』と言いました」。大人の元教え子との交際は自由だ。だが、18歳未満と関係を持つのは大半の都道府県条例が禁じ、13歳未満は同意でも強姦罪になる。教師は成績を付け、部活動の選手を選別する。同じ校内で評価する者とされる者が恋愛関係になっていいはずがない。ある中学校の剣道部顧問は、女子部員に激しい体罰を加えるとともに、控室で下着姿にし指をくわえさせるなどの変態行為に及んだ。「俺の言うことを聞けるか」と繰り返して絶対服従させ、歴代の部員の中で“伝統の儀式”と呼ばれていた。部活動で体罰とセットでわいせつ行為をするのは、支配欲を満たすためだろう。権力を使って支配する。それを「対等な恋愛」「自分が慕われているから」と考える。その意識の差こそが、教師のわいせつ犯罪が学校内で繰り返される原因だ。

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では一体、どんな対策を取ればいいのだろう。問題が起きると、学校や教育委員会は「研修を強化する」と言う。形ばかりの研修は無意味だ。“10歳を愛した教師”は学校ではセクハラ研修の責任者だった。一番の問題は、文部科学省も教育委員会も学校も“一部の不心得者”の仕業だと思い込んでいることだ。「大半の教師はまじめで、そんな教師は例外」との思いは多くの教師にある。それはその通りだ。だが、隣の席のまじめな教師がいつ転落するかわからない、ひょっとしたら自分がそうかもしれない、と気づいてほしい。いつ、どこで起きてもおかしくない、“人ごと”ではなく“わが事”だと気づかせる研修が必要だ。そうでないと、どんな研修もザルで水をすくうようなものだ。「ない」と思い込むと、あってもないことにしたがる。被害者がやっと声を上げても、加害者が否定すれば「やっぱり嘘だ」と責められる。こんな理不尽な、支援者が“二次被害”と呼ぶ現象はしばしば起きる。問題が発覚した時ほど、改善のチャンスだ。いじめ自殺や体罰のように隠蔽すれば被害は拡大し、学校は腐る。被害者の話に黙って耳を傾け、何を望むか聴いてほしい。最近気になるのは、解決の鍵を握る校長が保身のために事件を隠す例が目立つことだ。最優先すべきは被害者を支えること。その上で加害者をきちんと処分すべきだ。それには公立なら教育委員会との連携が不可欠だ。校長への研修で「速やかに届けないと自分の立場もまずくなる」と思わせることが解決の早道だ。私立校も、もみ消そうとするとかえって評判を落とすと早く気づいてほしい。今日も悪い教師は教室にいる。その事実を忘れてはならない。


キャプチャ  2015年2月号掲載


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