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【タブー全開!政界斬鉄剣】(174) 今回の統一地方選で注目すべきは盤石の創価学会票が減ったことだ!

池田「今週は統一地方選挙に関するお話です。前半戦は大方の予想通り、自民党と公明党の連立与党が圧勝しました。大きな波乱もなく、一般的な関心度も低かった印象です。しかし、結果を細かく見ると興味深い現象が起きていました。公明党が議席数を減らしたことです」

――ほんの数議席ですよね?
池田「前半戦では、京都市議選と大阪市議選で1議席ずつ減らしました。両方とも数票差の大接戦でしたが、重要なのは、鉄壁を誇る創価学会の票読みが崩れたことです。公明党を支える創価学会の票は、1票単位まで票読みができると言われるほど、“鉄板の組織票”として知られています。私が現役秘書だった頃、実は自民党と公明党が連立を組む過程に深く携わっていました。だから、学会票の盤石さを肌身で知っています。今回のように、学会票が事前に予定していた得票数を獲得できなかった等というケースは、殆ど記憶にありません」

――何が起こったのかな?
池田「嘗ての創価学会は、激しい選挙活動で有名な新興宗教団体でした。例えば、私が自民党員(※当時)だと知っている学会員の知人が、平然と公明党への投票依頼をしてくるほどだった。そんな学会員たちも、親から子へと2世・3世と代を重ねていくうちに穏やかになった。創価学会は熟成を重ねて、伝統ある普通の宗教団体として定着したということでしょう。そして、選挙活動もすっかり穏やかになったわけです」

――そういうことか!
池田「創価学会の穏健化と、今回の京都や大阪で現有議席を失ったこととは無関係じゃない筈です。“選挙軍団”としての組織力が衰えつつあるのです。この傾向は夏の参院選でも見られるでしょう。全体的には自公の勝利が確実な情勢ですが、注目すべきは勝敗ではなく、公明党の“得票数”です」

――得票数をどう見るの?
池田「全国の公明党候補が獲得した得票数の合計を、前回やそれ以前の選挙時のものと比べるだけです。恐らく減少する筈です。この傾向が進めば、日本の政治構造までもが急速に変わると私はみています」

――そんなに影響があるの?
池田「元々、自民党を支えていたのは保守系の組織票です。例えば、農協・建設業協会・旧特定郵便局長会等です。彼らは嘗て自民党の大票田でしたが、今では弱体化して、自分たちだけで自民党を支えられる組織力がなくなった。その穴を埋める為に、自民党は保守系の組織でさえない創価学会の票に手を出したわけです。しかし、このまま学会票が減り続けると、自民党を支える組織票のパワーバランスが再び変わるのです」

――どういう風に?
池田「学会票が減れば、弱体化した保守系団体が持つ票も相対的に比重が大きくなる。そうなれば自民党への影響力も増すことにもなり、今まで減らされ続けていた補助金や、制度上の優遇措置等の恩恵も復活するかもしれない。若しその要望を自民党が拒絶すれば、彼らは他党を応援することも辞さないでしょう。つまり、政界再編が起きる土壌が生まれるわけです」

――なるほどー!
池田「ここ10年の選挙結果を見れば、国民の大多数が保守化していることは明白です。学会票の減少が続いて、自民党の足元が揺らいだ状況で、若し橋下徹氏が率いていた頃の維新の会のような保守勢力が誕生したとする。そしてその新党が、最近の自民党の政策に不満を持つ保守系の組織や団体を味方につけたとする。そうなれば自民党に対抗できる勢力になり得ます。最近では大企業の労働組合も変化しました。組合員が正社員なので生活満足度が高く、保守化の傾向が強いのです。彼らが今のポンコツ野党を見限り、新勢力につく可能性もある。学会票の地盤沈下がスイッチとなり、政界の大再編が起きるかもしれないのです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2019年5月13日号掲載
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テーマ : 選挙
ジャンル : 政治・経済

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