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【私のルールブック】(203) 芸能生活49周年の私に何度も喝を入れてくれる映画

恥ずかしながら、私は今年で芸能生活49周年を迎える。ということは、2020年には50周年ということになり、半世紀も同じ業界で働かせて頂いたということになるようで…。素直に「ありがとうございます」の言葉しかないのですが、やはり同じ業界に長く居座っていると、いくら定期的に自身を戒めようが、知らず知らずのうちに慣れに襲われることがあるのです。私はそんな時、一本のDVDを観ます。もう何十回観たかわかりません。その作品は、私が敬愛するショーン・ペン主演の『21g』。もうね、たまらんのですよ。何回観ても泣いてしまい、深く考えさせられ、そして温くなってしまった自分に喝を入れ直すことができるのです。簡単にストーリーを説明致しますと、余命1ヵ月と宣告された大学教授役をショーン・ペンが演じておりまして、ドナーからの心臓提供を待つ身。

そんな時、前科者の男が男性と子供2人を車で轢いてしまいます。で、その轢かれた男性の心臓がショーン・ペンの元に届くわけです。心臓移植手術は無事に成功し、ショーン・ペンは新たな命を得ることができました。しかし、ショーン・ペンはどうしても心臓を提供してくれた男性の身元が知りたくなり、私立探偵を雇って探してしまうのです。そして、ショーン・ペンは遂に心臓提供者の奥様に辿り着きます。同時に夫と子供2人を失った奥様は、絶望の淵にいました。で、ここでまさかの! ショーン・ペンと奥様は大人の関係に陥ってしまうのです。どう考えたって禁断でしょ。「そこだけは手を出しちゃダメなとこでしょ!」と叫びたくなるのですが、よくよく考えてみたら、奥様は一瞬のうちに身内を失った悲しみだけでなく、心臓提供の同意書にサインをしたという負い目がどこかにある。一方でショーン・ペンは、成功したかに思えた移植手術だったのですが、術後の経過が悪く、「再び新しい心臓を移植しなければ命はない」と医師に宣告されていたのです。

そんな2人が結ばれるのは、若しかしたら必然だったのかもしれません。そして忘れてならないのは、奥様の夫と子供2人を轢いてしまった前科者の男です。罪を悔い、酒も煙草も一切止めて、神に祈る日々を送っていたのですが、それこそ神の悪戯か、そんな3人がとうとう出会ってしまうんです。もうね、兎に角、観ていて胸が締めつけられるといいますか、三人三様の痛みが嫌っちゅうほど理解できるので、大袈裟ではなく、こっちが呼吸困難になるぐらいでして。で、タイトルの意味なんですが、魂の重さといいますか、人は命を失うと21gだけ体重が減るんだというんです。たったの21g…。その命の重さを軽いと取るのか否かは人其々ですが、何十回観ても観終わった後に必ず、「一生懸命生きなきゃいけないな」と思わされるんですよね。命には限りがあるのだから、その命に報いる為にも生き切らなきゃいけないなと…。でもね、そんなこと言いながら、直ぐに怠けるから、何十回も観る羽目になっているんですよ(笑)。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2019年6月20日号掲載
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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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