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【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(209) YouTubeやグーグルの“おすすめ機能”に罪はないのか?

『ニューヨークタイムズ』が先日、「YouTubeの自動レコメンド機能はペドファイル(※小児性愛者)の倒錯を誘発している」とする記事を発表しました。自動レコメンド機能とは、ある動画を視聴した後に“あなたへのおすすめ”という感じで幾つも表示されるあれです。YouTube上には、未成年者が登場する様々な動画がアップされています。何の変哲もない家族ムービーや、子供がただ玩具で遊ぶだけといったものもあれば、水着等肌の露出がやや多いもの、そして陰に陽に性的な意味合いを込めたものまで(※一応、YouTubeでは“有害コンテンツ”は見つかり次第削除されることにはなっています)。当該記事では、ある国に住む母親がアップした動画を巡る事件を紹介しています。19歳の娘がプールで友だちと遊ぶほのぼのとした動画を、母親は何げなくアップロードしたそうですが、数日後、その至って普通の動画はペドファイルの目に止まり、40万回再生を超える人気動画となってしまいました。

こうしたことはしばしば起きているようで、ペドファイルの視聴傾向に合わせ、子供が映っている動画がおすすめされてしまっているわけです。言うまでもなく、YouTubeのビジネス上の最大の目標はトラフィックを稼ぐこと。つまりアルゴリズムは、ユーザーが“関連動画の渡り鳥”となるように最適化され、次々と動画を選びます。しかも、途中で飽きられないように、おすすめ動画はどんどんエクストリームになるよう設計されているのです。YouTubeを傘下に置くグーグルは「アルゴリズムは恣意的ではない」としていますが、よりエクストリームなものを見たくなるという人間の性質を刺激するようなアルゴリズムを組んでいること自体、こうした問題においては罪ではないでしょうか。多くの人は“無味無臭”だと思っているであろう検索エンジンにも歪みはあります。例えば、グーグルの検索欄にキーワードを入力すると関連ワードが自動的に表示されるサジェスト機能も、相当に闇が深い。個人的にも、その昔、ストーカー的な人物がインターネット上に書き込んだデマが一人歩きし、“モーリー・ロバートソン”と検索した際にそのデマが予測ワードの上位を占めるようになってしまったこともありました。

グーグルの検索欄に“ホロコースト”と入れると、陰謀論者による“ホロコースト否定論”が上位にサジェストされてしまう問題が批判された際も、グーグル側は“中立性”を盾に反論しました。ただ、我々のように実害を被った立場から言わせてもらうなら、「そんな理屈で逃げられると思うか!」という話です。たとえSNSや掲示板等インターネット上であっても、差別発言や問題行為をした個人にはアカウント制限や凍結等の処分が下されます。しかし検索エンジンに関しては、明らかにアルゴリズムのやり方に問題があるにも拘わらず、何の罪にも問われず放置されている。ユーザーの“無意識”を狙うことがビジネスモデルになっている以上、こうした問題はなくならないのでしょうが、そろそろ本当にどうにかしたほうがいい。ユーザー側も、“タダより高いものはない”という意識をどこかで持っておく必要があるでしょう。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。『スッキリ』(日本テレビ系)・『みんなのニュース 報道ランナー』(関西テレビ)・『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(朝日放送)・『ザ・ニュースマスターズTOKYO』(文化放送)・『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)等に出演中。近著に『挑発的ニッポン革命論 煽動の時代を生き抜け』(集英社)・『悪くあれ! 窒息ニッポン、自由に生きる思考法』(スモール出版)。


キャプチャ  2019年7月1日号掲載
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