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【タブー全開!政界斬鉄剣】(181) 解散風を“煽る大物”と“抑える実力者”…衆参ダブル選を巡る水面下の戦い

池田「今週は、参院選に向けて吹いたり止んだりを繰り返す“解散風”の発生源について、その真相を明らかにしたいと思います。先週には『衆議院の解散は見送りの方向で調整』というニュースも報じられました。結論から先に言うと、解散風を起こし続けていたのは麻生太郎財務大臣とその周辺勢力で、解散風を止めようと躍起なのは二階俊博幹事長とその周辺です。そして、肝心の解散権を有する安倍晋三首相は、自分の意思とは関係なく吹く風を上手に利用するべく、知恵を絞っているように見えます」

――三者三様の狙いとは?
池田「安倍首相から解説しましょう。安倍さんの目的は、参院選に勝利して、憲法改正の発議に必要な議席数を確保することです。更に、秋に予定される消費税率のアップを実行するか延期するか、経済状況をぎりぎりまで見極めてから決断できる権限を手にしたい。『消費税率アップか延期か、その決定権を私に下さい』という問いかけをした上で、衆議院を解散してダブル選に出る考えもある筈です」

――麻生さんの狙いは?
池田「麻生さんには、財務省のトップと元首相という2つの顔があります。財務大臣としては 消費税率を予定通りに上げたい。元首相としては、解散・総選挙のタイミングを心配している筈です。何故なら、自分が首相だった時、リーマンショックの影響で衆議院の任期ぎりぎりまで解散を引っ張った末に解散・総選挙を行ない、惨敗した苦い記憶があるからです」

――確かにそうだった!
池田「今夏が過ぎてしまえば、秋には天皇陛下の重要な式典があるし、来夏には東京五輪がある。事実上、五輪閉幕後までは解散・総選挙はできない状況です。増税で経済が冷え込む可能性もあるし、五輪が終われば世の中の浮かれた空気感も冷え込むかもしれない。麻生政権時のように、自民党が不利な状況で解散するより、確実に勝てそうな今のうちに解散・総選挙をやったほうがいいと考えるのは、“首相の先輩”として自然な考え方です」

――なるほどー!
池田「二階さんの狙いはずばり、憲法改正の阻止です。その為には参議院の議席数が、連立を組む公明と、改憲に肯定的な維新を合わせても3分の2以下であってほしい。一方で、二階さんは選挙における総責任者の幹事長でもありますから、責任を問われるような負け方もできない。そんな悩ましい立場にある二階さんにとって、自民党の大勝利に直結する可能性の高い衆参ダブル選は、絶対に避けたいのです」

――ダブル選だと参院選でも自民有利になるの?
池田「野党は参院選だけでもぎりぎりです。ダブル選なら衆院選を優先せざるを得なくなり、野党間の選挙協力どころではなくなる。自動的に参院選が疎かになり、自民党が大勝する可能性が高まるのです。衆参で大勝して安倍首相が自信を深め、その勢いで憲法改正の発議に踏み切られるのは、二階さんにとって悪夢のシナリオです」

――深いなー。
池田「安倍首相は、通常国会の会期終盤にあたる6月12日からの3日間という超異例な日程で、イランを訪問しました。無理な日程でも強行したかった理由は、明らかに参院選前にインパクトのある外交でアピールできるからです。関係が最悪な状態のイランとアメリカの間に入り、“平和的な対話の重要性”を訴えるだけで、アメリカに代わって世界の緊張緩和に貢献したという外交ポイントを稼げる絶好の機会です。同時に日本国民の多くは、『この流れで対北朝鮮外交も成功させられるのでは?』という期待感も持つでしょう」

――安倍さん、やるなぁ!
池田「それだけ安倍さんは今回の参院選を重視しているのです。解散権を持つ安倍首相が、自分にとってメリットしかない衆議院解散をぎりぎりで断行するかどうか。利害が交錯する麻生さんや二階さんがどう動くのか。是非注目して下さい」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2019年7月1日号掲載
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テーマ : 選挙
ジャンル : 政治・経済

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