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【私のルールブック】(210) 「仕事をサボりたい」と思ったら…

「仕事サボろうかな」と思ったこと、ありませんか? 誰だって一度や二度はありますよね。キッチリ病の私ですら何度かあるわけですから。実際、一回だけズル休みをしたことがあります。若かりし頃、舞台の稽古が入っていたにも拘わらず、向かった先は多摩川競艇場でした。どうしても買いたいレースがありまして、それだけ当てる自信があったということなんですが、だからといって仕事をサボって行っていい筈もなく。ところが、当てちゃったんですよね~。展開も見事にハマって、3点買いで大当たり! しこたま張っていました。勿論、大儲けでございます。払い戻しする時に手が震えましたもん。すると、遠くから場内アナウンスが…。「杉並区にお住いの坂上忍様、坂上忍様。お勤め先よりお電話が入っております。場内入り口脇の案内所までお越し下さい」。もうね、血の気が引きましたよ。

居場所なんて誰にも教えていないのに、「アイツの行くとこなんて、どうせ競艇場しかねぇだろ」ってなもんで、見透かされていたんですよね。おかげで大恥かきました。ってことで、私が確信犯的に仕事をサボったのは、この一回こっきりなんです。まぁ、芸能生活49年でたったの一回だったら少ないほうじゃないですかね。いや、そんなことはないか。でも、何でサボりたくなるんでしょうね? まるで何かの発作の如く、突然、衝動に駆られる時がある。ただ、我々の業界は、抑々時間に縛られたり組織に雁字搦めにされるのが嫌だから、一見自由っぽく映る芸能界を選択したという方が多いと思うんです。とはいえ、今思えば、自由だったのは暇をぶっこいていた時期だけで、真面に稼働していたら一般職よりも自由度は低いかもしれませんね。特にこのご時世は…。結局、働くということは何かしらの制約の中で、ルール内で生きるということなんですかね。そっか、だから50を過ぎてもサボりたくなるんだ。

ふとした時に周りをロープで囲われていることに気付き、ロープを潜って出ようもんなら、「ここから出てはダメです!」的な感じの悪い声がどこからか聞こえてきて。となると余計に、何とか抜け出すことはできないかと悪知恵を働かせてしまう…みたいな。ほんと、大人になり切れないおじさんでごめんなさい。なので、最近は妄想を楽しんでいます。サボった時を想像して、どこに行こうかなとか。国内なのか? 海外まで飛ぶのか? その前に言い訳は必要だよな。ただ、嘘を吐くのは拙いか。ばれた時に大事になっちゃうし、「会見を開け」なんてことになったらどうしよう! 仕事をサボって謝罪会見なんて、みっともないったらありゃしない。で、結論としてはですね、どう足掻いたってサボれないわけですよ。この歳で多くの方々に迷惑をかけるなんてことができる筈もなく、サボったところで罪悪感のほうが勝ってしまうのは目に見えていますから。だからというわけではないですが、私はお尻を決めているんです。この年齢に達したら仕事を減らして、この歳になったら身を引いてってね。なので、それまではサボらずに死ぬ気で働きます!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2019年8月8日号掲載
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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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