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【タブー全開!政界斬鉄剣】(204) カジノ管理委員会の人事は政治とカネの抗争を誘発する

池田「今週はIR(※統合型リゾート)、所謂日本版カジノについてです。11月29日、カジノ管理委員会の委員長人事を衆参両院が承認しました。カジノ委は日本のカジノ行政に公正且つ強い影響力を持つことが期待され、国民の代表である政治家すら一切タッチできない仕組みの組織です。だから、委員長を含めた5名の委員が誰になるかは勿論、役人で構成される、委員会内の事務局の主導権をどの省庁が握るのかで、この組織の性格も強さも決まる。そして先ず、注目の委員長が元検察官の北村道夫氏に決まった。残る4人の委員も検察OBになるようです。これでカジノ委は大きな影響力を持たない組織になることが決まったと、私はみています」

――どうして!?
池田「カジノ行政は権力が二重構造になっていてわかり難いのですが、カジノ委は参入希望業者のライセンスを審査する権限を持つ一方、カジノリゾートをどこに設置するのかを決める権限は国土交通大臣が持ちます。そのどちらが強い権力を握るのかを大きく左右するのが、カジノ委の人事だったのです」

――検察OBじゃダメなの?
池田「ダメ過ぎます。官僚なんて会社を経営したこともない、商業的な意味では世間知らずばかりです。勿論、ギャンブル組織経営のノウハウもなければ、賭け事にハマる人の心も理解できない。世界の観光客が何を求めているかも知らない。つまり、役人がカジノ委をコントロールするという時点でダメなのです。特に検察官は、経済観念という意味では素人以下だと言える。委員はその道のプロで構成しなければ意味がない」

――このままだとどうなっちゃいそうなの?
池田「国土交通省がカジノ行政を牛耳る展開になるでしょう。若しカジノ委がプロばかりで構成されていたなら、国交省がカジノリゾートをどこかに設置しようとしても、プロの意見として口出しができた。『その場所はこういう理由で不向きなので再考すべき』等と。つまり、カジノ委が最終決定権を握れたのです」

――なるほど!
池田「しかし、専門知識のない役人が委員会メンバーを占めることで、参入希望者の目は国交省に影響力を持つ人に集中する。一方のカジノ委は、要件を満たした業者に対し、自動的にライセンスを発給するだけの機関になってしまったのです。後は、参入業者のコンプライアンス違反や脱税のチェックが主な業務となるでしょう」

――国交省の主導になるとどうなっちゃうの?
池田「カジノ委には政治的な窓口が無いので、国民は何も口出しできない組織です。しかし、国交省は大臣(=政治家)をトップに据えた組織なので、他の政治家からの口利きや、自治体や団体からの陳情や要請という方法で要望を伝えられる。そして、カジノリゾートの設置場所は当面3ヵ所とされていますが、有力視されていた北海道が誘致しないと表明したことで、少なくとも枠が1つ空いた。だから、カジノを誘致したい地方自治体や経済団体等は、地元選出の国会議員を巻き込んで国交省に積極的な陳情ができる。今まで一度も候補に挙がっていなかった地域にもチャンスの芽が出てきたわけです」

――そうなるのか!
池田「国民が口出しできるようになったという意味では、カジノ行政が民主的な構図になったとも言えますが、国家的プロジェクトに政治家や役人経由で外部から関与できるということは、色々な欲望が渦巻くことも予想できる。今回のカジノ委の人事は、政治とカネの問題が発生する余地を大いに拡大させる結果になったなと感じています。カジノ設置の申請期間は来年の1月から7月まで。今後約8ヵ月間、全国各地の政治家や企業や団体らが激しい戦いを繰り広げ、それが露見して社会問題化する可能性もあるでしょう」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2019年12月23日号掲載
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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

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