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【私のルールブック】(232) 福島からレッスンに来た女の子の“想い”

先日、私がプロデュースをさせて頂いている子役スクールのレッスンに終日参加した時のこと。レッスンを体験したいという女の子が福島から来ていまして、見様見真似で奮闘する姿を微笑ましく拝見させて頂いたのですが…。レッスン終了後、お母様と話をさせて頂いたんです。すると、「実は、うちの子は女優になりたいとか、テレビに出たいとか、そういうのではないんです」と。確かに、当校の門を叩いて来る子は其々で、「コミュニケーション能力を身に付けさせたい」とか、「学校で虐めにあっているので」とか、必ずしも子役志望というわけではないんです。なので、「だったら彼女もそっちの事情なのかな?」と思ったのですが、お母様は続けて、「うちの子は、坂上さんが出てらっしゃる“坂上どうぶつ王国”(フジテレビ系)を毎週観ているんですが、通学路に保護施設がありまして、学校が終わっては施設にお邪魔させてもらって、ワンちゃんや猫ちゃんのお世話を手伝わせて頂いているんです」と。

正直、意外でした。このパターンは初めてでしたから。ただ、未だ核心の話には至っていないと思ったので、「で?」と尋ねてみると…。「はい。どうやら、お手伝いをさせてもらっているうちに、その保護施設が資金的に大変な状況で運営していることに気付いたらしいんですね。で、あの子なりに何とかならないか考えたようで、思いついたのが、自分が坂上さんに会いに行くことによって、坂上どうぶつ王国であの保護施設のことを取り上げてもらうことはできないかということらしいんです」と。続けてお母様は、「とはいえ、福島ですから、周りには保護施設を何とかしたいというあの子の想いは伏せて、『坂上さんがプロデュースしている子役スクールに行ってみたいと言っているんだけど』と相談したんですが、主人だけでなく、親戚も皆、『そんなところに行ったって騙されるだけだから止めておきな』と反対されてしまいまして」と。流石にこの件に関しては「ん?」となりましたが、地方に住んでいる方からしたら、そう映っても致し方ないのかなと、ぐっと堪えておきました。

結局、お母様は旦那さんにもご親戚にも内緒で娘さんを連れて来たようでして、出来得る範疇でお子さんの願いを叶えてあげたいという気持ちは十二分に伝わりました。ですが、ぶっちゃけ、この手のお願いはかなりな数で事務所に届いているのが現状なわけです。しかも、テレビ番組で取り上げるとなるとハードルは更に高くなるのは当然で、直ぐに結論が出せる問題ではないというのが正直なところ。ただ、彼女の芝居を見ていて、子供の割には意志が強そうな感じは受けていたので、改めて本人に訊いてみたんです。「ワンちゃんや猫ちゃんのお世話をしているんだって?」と尋ねると、彼女はこくりと頷きました。「可哀想なワンちゃんや猫ちゃんが沢山いるんだ」「(こくり)」「何とかしてあげたいんだ」「(こくり)」。で、何となく「将来は何になりたいの?」と尋ねると、「獣医です」と初めて声に出しました。即答でした。私には何の力もありません。ですが、力が無いなりに、どこかで彼女と繋がっていきたいなと思いました。何かしらの形で、彼女を応援する術を探そうかなと…。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2020年1月23日号掲載
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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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