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【タブー全開!政界斬鉄剣】(217) 議論も検証もなき復興庁の10年延長は今の日本の大欠陥を象徴する決定だ!

池田「安倍内閣は3月3日、来年度末で設置期限を迎える復興庁の存続を、更に10年延長することを閣議決定しました」

――何か利権的な背景でも?
池田「そういう要素もゼロではありませんが、深刻な問題はそこじゃない。実はこの延長、政治家の誰かが主張したわけではないんです。かといって、打ち切りを強く主張した人もいない。つまり、誰が希望して決まったのかがさっぱりわからない。この訳のわからない政治的な意思決定プロセスこそ、日本が抱える構造的な欠陥なのです」

――どういうこと?
池田「順に説明します。復興庁は、東日本大震災からの復旧を目指して、2012年2月に10年の期限で設置されました。この時点では、国が前面に立って被災地の迅速且つ完全な復旧を目指す為の妥当な設置でした。そして10年の間に、復興予算として31兆円以上もの国費が投入されてきた。通常、どんな企業や組織でも、膨大な費用を投入したプロジェクトであれば、先ずは“目的は達成されたか”・“費用対効果はどうだったか”が検証される筈。そして、若し10年という月日と31兆円という巨額をかけても未だ不具合があったら、抜本的な方針の見直しを迫られるでしょう」

――そりゃそうだよね。
池田「だから復興庁の場合も、もう復興庁は役割を終えたのか、未だ目的を達成できていないから継続するべきなのか、徹底的な議論があって然るべきです。しかし、私の知る限り、そんな検証は国会でも与党内でも殆どされていないのです」

――えええ~っ!?
池田「安倍内閣は議論もせず、延長を決定した。予算規模を5分の1程度に縮小して、10年も延長するという内容で。復興庁の目標は迅速な復旧ですから、若し目標に達していないのなら、10年もかけずに予算規模も縮小しないで、1日でも早い復旧を目指すべきです。今回の決定内容は全てが中途半端です」

――延長の目的は何なの?
池田「復興庁という暫定的な役所を延命させること自体が目的という利権的な側面も、あるにはあります。しかし、もっと深刻なのは、政治家たちが『復興事業の打ち切りは国民ウケが悪そうだから止めておこう』という逃げ腰の心理に陥り、政治決断という彼らの役割を自ら放棄した状態にあることです。このままではダラダラと延命が続き、役人や政治家に余分なポストを提供して税金を浪費するだけの組織になってしまうでしょう」

――それはダメじゃん!
池田「復興庁が東北に投入した金額は、1990年代に中国の上海に国外から流れ込んだ投資額に相当します。1990年代初めまでの上海は人口が多いだけの地方都市でしたが、約30兆円の投資を起爆剤にして、僅か10年で巨額の富を生む世界的大都市に急成長したのです。一方、日本の東北地方はどうなったでしょう? 仙台等の一部の地域では多少の好景気も呼びましたが、全体的に見たら31兆円に相当する効果が出ているとは言い難い。もう一度、冷静に復興庁による事業の内容と質を議論し直す必要が絶対にあるのです」

――どうして議論しないの?
池田「実は最近、復興庁について何人もの政治家と話をする機会がありました。彼らは、『復興庁の役割は終わっていると思うけど、自分からは言えないよ…』等と言うのです。今の政府は、世間からの感情的な反発を受けると何も決定できないので、政治家は言うだけ損だと考えてしまう。だから、世間の声と違ってでも、国のトップが勇気を持って政治的決断を下すべきなんです。新型コロナウイルスへの対応でも、『今となっては初期の頃に一切の外国人を入国禁止にすればよかった』と多くの人が思うでしょうが、当時は違いました。日本人の生命と健康という国益など無視して、『人権無視だ!』と大騒ぎする連中が大量発生した筈。今回の復興問題でも、安倍晋三首相は国益全体の観点から冷静に判断すべきだったと私は思います」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2020年4月6日号掲載
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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

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