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【私のルールブック】(286) 相次ぐ芸能人の独立について思うこと

数年前ぐらいから、芸能人の大手事務所からの独立が相次いでいますね。昔ならばちょっと考えられないことでした。たとえ独立を許されたとしても、一定期間はテレビに出演することはできなかったり、出られたとしても数年間はマージンは払い続けたり…なんて話もちらほら。まぁ、事務所側からすれば先行投資を含め、一線級になるまで育て上げたことは事実ですから、売れた途端に自由にやりたいって何なんだと。ならば、きちんと筋を通すのは当然ということなのでしょう。ところが、その良くも悪くも芸能界ならではの慣例のようなものが崩れつつあるようで…。「あの人が独立するの!?」「よく許してもらえたね」に始まり、あれよあれよという間に驚きも少なくなっている状態。恐らく、『YouTube』における自己発信の場が確立されたことが大きいのかなと。重ねてコロナ禍となり、自分を見つめ直す、じっくりと将来を見据える時間が持てたので、何が起こってもおかしくない世の中ということを実感して、“自分らしさ”を選択する方が増えたのかな~という気がしてならないのです。

更にインターネット社会になり、独立したタレントや俳優が干されたような背景が見え隠れすると、業界と持ちつ持たれつのテレビや雑誌媒体は口を喉んだとしても、インターネット上は荒れますからね。まさに、この部分におけるSNSの功罪は大きいのかなと。ただ、当然ながら独立した方の全てが成功するわけではなく、独立した形を取りながらも、実は完全に独立したわけではなく、どこかの部分で元の事務所と繋がりを残しているほうが、安定した活躍を見せているような気がします。因みに、私は子役時代は児童劇団に所属しておりましたが、14歳の頃に独立をし、以来ず~っと個人事務所の身。恐らく、こんな輩は私以外はいないと思われます。抑々、役者を続ける気は微塵もなく、親父が残した借金を返済するまでは続けるしかなかった状況でしたので、個人事務所を選択した、せざるを得なかったのです。まぁ、結果的に借金を完済した頃には潰しが利かないろくでなしと自身を悟り、今に至っている感じ。

そんな私が昨今の芸能人の独立ラッシュを一歩引いたところから見ていると、「芸能界も選択肢が増えてとてもいいことだ」という想いと、個人事務所の大変さを身を以て知っている身なので、「ちゃんと覚悟はできているのかな?」といった相反する気持ちが綯い交ぜになって、とても複雑なのです。だって、事務所に所属をしていれば、何かがあった時は様々な形で守ってもらえますからね。何よりキャスティングに関しては圧倒的に有利ですし、お金の面でも個人事務所の場合はひとりで全ての経費を賄うわけですから、皆さんが思っているほど儲からないと思います。となると、独立する際、そのタレントさんがどの程度のランクに位置しているかで、大きく異なってくるのかなと。後は覚悟の問題といいますか、「自分らしく仕事をしたいんだ!」といった確固たる価値観を持っていらっしゃるなら、結果はそれほど重要ではありませんから。ただ、若し私が独立を相談されたら…何て答えるんだろう? う~ん、かなり微妙。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2021年2月25日号掲載
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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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