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【私のルールブック】(289) やりきれない気持ちになる“戦友”との別れ

私はどちらかというと“人”と仕事をするタイプである。人というのは、主要なスタッフさんたちと話し合って話し合って、時に激しく侃々諤々。険悪な空気が漂うことも厭わず、責任を取る者としての共犯関係を、時間が掛かってでも築き上げていくスタイルということ。一口に言ってしまえば、古いやり方なのだと思います。なので、私は勿論ですが、相手さんの負担も結構なものかと。ただ、意思の疎通が図れてしまえば後は楽といいますか、場面場面で微調整を繰り返しながら対応していけばいいわけですから。たとえるならばタレントとマネージャーさんだったり、コンビの芸人さんの関係だったり? そこまでは言い過ぎですかね。とはいえ、戦友的な関係が構築できれば有難いわけです。しかし、私が関係を築く相手は大きな組織に属する方が殆どで、そこには必ず人事という大きな壁が立ちはだかります。要するに、ある日突然、戦友が別の部署に異動になってしまうということ。まぁ、サラリーマンの方は常ですから、私も覚悟はできています。

だって、栄転であればその人にとってはチャンスですし、私にとっても喜ばしいことこの上ないわけで。ただ、実際は共犯関係が築けて終わりではなく、そこから番組をある程度安定路線に持っていって初めてホッとできるわけで、そのタイミングでしたら淋しい気持ちがありつつも、満面の笑みで見送ることができるのですが、まさに「ここから!」という時に異動になってしまうと、何を頼りにしていいのやら…。これまでの時間って一体何だったのよと、放心状態を通り越してやりきれない気持ちにさえ襲われる時があるんです。ですが、こればっかりは私風情が口を挟める筈もなく、「またいつか一緒に仕事しようね」との決まり文句を言って、力なく手を振ることしかできない。とはいえ、後釜に座る方もやり難いと思います。なので、前任者のスタンスを壊さないように、取り敢えずは踏襲するところから始める方が殆どですが、中には改革精神に溢れた方もいらっしゃって、どちらにせよ、また一から人間関係を作り上げていくしかないわけです。

誰もが通る道と思いながらも、我々の業界は結構、距離感が近かったりしますので、ショックの度合いも大きいんです。ただ、当然のことながらマイナスばかりではなく、良い意味での化学反応が起こって、これまで以上に巧く運ぶ時もありますから、一概に「人事ってさ~」とは言えないんですよね。因みに、『バイキング』(フジテレビ系)は去年の秋にリニューアルしまして、スタッフさんの8割方は入れ替えとなりました。これは人事というよりは、制作を担う部署が変わったからに他ならないのですが、正直、不安しかありませんでした。ですが、半年弱が経過した今、コロナ禍にも拘わらず順調に人間関係は築けていると思います。本当に皆さん、よくやって下さっている。ただ、ふとした時に以前のスタッフさんたちの顔が過ったりもするんです。コロナ禍できちんとお別れもできていないので…。だからこそ、お願いだからコロナ禍何とかして~! 古いやり方だろうが何だろうが、飲みニュケーションさせて下さ~い!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2021年3月18日号掲載
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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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