【働きかたNext】第2部(04) “モーレツ”変わる? 時間でなく成果で評価――日本電産会長兼社長 永守重信氏

元日の午前中を除き、年365日働く。日本電産の永守重信会長兼社長はそんなモーレツ経営で、同社を売上高1兆円近い企業に育てた。ただ相次ぐM&A(合併・買収)で、外国人などグループ従業員数は今や10万人を超す。グローバル企業に変身するなか、“モーレツ”な働き方は変わるのか。永守氏に聞いた。

――日本電産はハードワークで有名です。
「創業当初は優秀な人材を採れず、大手に対抗するには長時間働くしかなかった。上場後はある程度人を確保でき、アタマも使う“知的ハードワーキング”を掲げた。最近はグローバル化が進んだため、昨年から時間に関わらず“できるまでやる”方針に変えた。やるべきことができれば早く帰っていい。ただ、できないのに早く帰れば競争に負けてしまう。そこは頑張ってもらうという考え方だ」

――社員の間で帰宅時間に差が出ませんか。
「今はできるだけ生産性の高い人に仕事を回し、昇進や賞与で報いるようにしている。同じ仕事をするのに能率が良く早く仕事を切り上げる人より、効率が悪く長時間働いている人に残業代が付き収入が多くなるのはおかしい。(ホワイトカラーエグゼンプションのような)ある程度の年収になったら時間でなく成果で評価するのは正しい」




――グローバル化にはどう対応しますか。
「経営幹部に対しては、2017年にも世界同一の報酬体系を導入する。年俸制で世界で転勤があるグローバル幹部と、国を越えた転勤はなく地域ごとの雇用慣行や文化を適用させるローカル社員とに分ける」
「雇用は守る。リーマンショック時も誰も切らずに平均5%の賃金カットをし、その後利子を付けて返した。いいときも悪いときも分かち合うのが日本の強みだ。うちは今や電機大手のリストラの受け皿。一生懸命働いて税金も納めているのに“ブラック企業”のように言われるのはおかしい。リストラする方がよほどブラックではないか」

――女性が働きやすい職場をどう作りますか。
「昨年、3人の女性を部長に初登用した。女性管理職を増やすのにゲタを履かせるのは反対だが、働きやすい環境づくりへの投資は進める。育児や介護で時間に制約がある人も、法務や税務など専門性の高い仕事であれば可能だと思う。在宅勤務のほか、朝だけ、午後だけといった働き方は今後増えてくると思う」

――外部の人材採用に積極的です。
「昨年、電機大手から部長級だけで約100人採用した。中途採用は続けるが、生え抜き社員も重要だと気づいた。社風になじむのには時間がかかるからだ」
「このため今年から経営幹部養成の経営塾、2016年には国内外のグループ幹部向けの企業内大学校を開く。これまで高学歴者なら経営ができると錯覚していた。経営には知能指数(IQ)と、仕事への取り組み姿勢や執念といった心の知能指数(EQ)を併せ持った人材が必要だ。これは自社で育成する」 (聞き手は太田順尚)


ながもり・しげのぶ 1967年(昭和42年)職業訓練大電気科卒。1973年日本電産を創業し、社長に就任。2014年から現職。社員が帰りやすくするため、最近は帰宅時間を早めているという。70歳。


≡日本経済新聞 2015年1月27日付掲載≡


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