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レコード復権、若者に響く――針落とすDJ「絵になる」、ひと手間に味わい…若手アーティストが新譜、中古盤並ぶ店20代集う

1980年代以降、CDの普及により存在感を失っていたアナログレコードが再び注目を集めている。若手アーティストの新譜が相次いで発売され、8月には大手CDショップがレコード店を出店。パイオニアも30年ぶりに新型プレーヤーを発売した。音質だけでなく、管理の面倒さがレコードと接したことのない世代にも新鮮に映っているようだ。

「同じ曲をかけても、アナログレコードは直接音を触っている感じがする」。そう話すのは、クラブなどでDJ(ディスクジョッキー)もしている東京・品川に住む会社員の新井庸介さん(26)。曲と曲とのつなぎ目などで、DJは回転するレコードを手で止めたり、回転数を変えたり、時に逆回転させたりする。CDやパソコンでも同じことはできるが、すべての音が溝に刻まれているアナログと異なり、音をデジタルデータ化し、合成音をつくって埋めなければならない。「そもそもDJがレコード盤を持ち上げて針を落とすだけでも絵になる。CDやパソコンではそれができない」(新井さん)。新井さんがレコードを集めはじめたのは6年前。購入したレコードは1000枚を超える。今も月2万円程度、新譜を購入する。「CDでは発売しないレーベルに好きなものがあって」と話す新井さんは購入する音源のうち9割がレコードだ。






趣味でレコードを楽しむ人も増えている。東京・練馬の会社員、東海林大嗣さん(40)は、2年前にレコードプレーヤーを入手。毎月1~2枚のレコードを購入して楽しむ。休日や自宅で仕事をする際はレコードが欠かせないほどだ。「レコードに針を落とす行為自体が儀式のようなもの」と話す。また、両面に音楽が記録されているレコードでは必須となる、裏の面に返す行為自体が気分転換にもなるという。

音自体もCDよりもレコードの方が優れているという意見は多い。人間が直接聞きとれない周波数も録音でき、音に厚みを感じられるためだ。また、紙製のレコードジャケットの質感もユーザーを魅了する。そんな良さが見直されはじめ、世界のレコードの売上高は2006年を底に回復基調にある。日本でも販売額はCDの1%にも満たないと見られるが、今年に入って、木村カエラやきゃりーぱみゅぱみゅ・くるりら若手アーティストがレコードでアルバムを発売した。DJらが利用するレコードプレーヤーも9月、30年ぶりにパイオニアが新製品(実売価格約8万円)を発売。「プロ向けで人気を集めていた他社のレコードプレーヤーが4年前に発売中止となっていたが、根強いDJのアナログニーズに応えたかった」と商品企画3課の伊吹哲課長は話す。発表直後から問い合わせが相次ぎ、入荷待ちの人気となっている。数少なくなったレコードを作る工場は、世界中で、どこもフル稼働の状況だ。日本で唯一レコードを製造する東洋化成(東京・港)ではラインを確保するのも難しくなっているという。

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全国にCDショップのHMVなどを運営するローソンHMVエンタテインメント(東京・品川)は8月、東京・渋谷にレコードやCDの中古商品、約8万点を中心に扱う店舗をオープンした。中古を扱うウェブサイトを強化するための位置付けで「当初はCDとレコードとで半々と考えていた」(中古・専門店推進部の小松正人部長)。だが、蓋を開けてみると、同じ曲でレコードとCDを用意してもレコードが売れていく。レコードをそれまで触ったことのない20代の人たちも、1万円程度の安価なレコードプレーヤーとともに購入していくという。今後は買い取りを強化するとともに、同社が独自で手掛けるレコードの新譜を増やすなどして品ぞろえを充実させ、レコードを中心とした店舗作りへと切り替えていく。

レコードを楽しむ環境は再び整いつつあるようだ。この秋、CDしか知らない人も、かつて親しんだ人も、レコードが醸し出す音質の厚みに耳を傾けてみてはいかがだろう。 (山崎大作)


キャプチャ  2014年10月8日付掲載
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