【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(01) モーリーの所信表明演説――「もう上の世代はダメ。飛び越えるしかない!」「カオスを許容して、それ以上の利益を!」

こんにちは! モーリー・ロバートソンです。今週から始まる連載コラムの1回目は、自己紹介と“所信表明”をしたいと思います。僕はアメリカ人の父と日本人の母を持つハーフで、生まれてから暫くはアメリカにいました。5歳の時、父の転勤で広島に移り住み、暫くそこで育ったんですが、中2の時に再び父の仕事の関係でアメリカに戻ってから、中高時代は日米を行ったり来たり。どちらの社会(学校)でも僕は“浮いた存在”。アメリカでは、人との距離感がちょっと変な、女にモテない日本育ちのヤツ。一方、日本ではアメリカでの経験を生かしてモテたんだけど、学校からは理不尽に不良アメリカ人扱い。ずっと違和感の中にいました。その後、東京大学に入学したものの直ぐに辞め、同じ年の秋にはハーバード大学に入学する為、渡米。浮き沈みの激しい10代でした。20歳を過ぎてからは、日本でも本を出したり、少し芸能人みたいなことをやったりしながらハーバードで電子音楽を学び、カウンターカルチャーのレジェンド的なお爺さんたちに会いに行ったり、何年か魔術師に師事してみたり。その後は日本に戻ってラジオ番組を持ったり、まだインターネットが発展途上の時代から国内外での取材映像を配信したり。……駆け足で紹介すると意味不明ですが(笑)、そうした色々な経験も僕のジャーナリストとしての原点なんです。

このコラムで実現したいこと――それは、皆が自分を“解放”することです。世界をフラットに見る視点を持ち、自分の頭で考えるべきことを考え、タブー無きディベートができるようになってほしい。もう上の世代はダメだと思うから、若い人たちが飛び越えるしかない。今、日本のネット上では思想的に右と左に偏った人の声が目立つけど、現実の世界で一番多いのはどちらにも賛成できない中間層。でも、彼らは食み出るのを恐れて何も言わない。何か問題があっても、発言も行動もしない。そんな人たちを解放したいんです。その結果、日本に“革命”が起きちゃったら面白いよね。自分で言うのも何だけど、真ん中にいる人にとって僕の言葉は爽快感があって、麻薬のように浸透すると思う。ただ、どんなに僕がバランスの取れた話をしても、直ぐに飛びつくんじゃなくて自分の頭でじっくり考えて判断してほしい。「本当にモーリーの言うことは正しいのか」と。そして、そのチョイスに関する責任と重みを自分で引き受けてほしいんです。




所謂戦後レジームの影響かもしれないけど、日本の大衆には重要なチョイスの責任を引き受けなくてもいいという潜在意識――つまり、最後はどうせお上(日本政府やアメリカ)が決めるという“カラ約束”や“諦め”が骨の髄まで染み付いてしまった世代が2~3世代ある。だから、皆が自分の気持ちいい殻の中に閉じ籠るばかりで、不都合なことは見て見ぬ振り。ガチンコのディベートが起きない。ハードなディベートが無い国って、反体制側の主張が弱々しいんです。元々、思想を共有している仲間だけで幾ら盛り上がっても、批判に耐え得る主張は生まれない。よく考えてみれば、現実味の無い“美しい主張”を無意識の部分で「まあ実現しないだろうな」と思いながら言い続けるだけ。その結果、体制との対話から益々遠ざかってしまう。対話がある国では、元々反体制側だった人が体制の内側に入り込み、仕組みそのものを変えたりする。ビジネスで大成功して、ルール自体を変えちゃったアップルのスティーブ・ジョブズみたいにね。それがカウンターカルチャー。本当のカウンターって言うのはアンチエスタブリッシュメントなだけじゃなくて、中に入り込んで対流を生み出すものだから。アメリカ初の黒人大統領であるバラク・オバマも、広い意味では出発点はカウンターです。ガラパゴスな日本では、今はまだ狭くて細かい“棲み分け”があるけど、今後グローバル化がもっと進むと、あらゆるものが衝突しつつ存在するカオスな社会になる。それまでに、ハードなディベートができる思考にビルドアップさせる必要がある。これは政治だけじゃなく、経済的な個人のサバイバルの為にも重要。「このまま逃げ切ればいいや」と、思考の凝り固まった大人世代をさっさと置き去りにしないと。

漠然とした未来への不安はあって当然。でもそれで変化を恐れ、小さなノイズに反応して他者を叩いたり、“決まり”を守らない人を糾弾したり……。若い人が潔癖症的にそういうことをやっているのは残念だし、勿体無い。数%の不利益やカオスを許容して、それ以上の利益を生み出す社会にしていきたいんです。ディベートができるようになるには、徹底的に世界を知る必要があります。今、日本の外ではあらゆることが起こっている。このコラムでは、そんなカオスな世界のニュースも伝えたい。権力者だけじゃなく、市民や差別されている側の人たちも、排外主義者もテロリストも、狡く賢く社会を変えたり自分たちの利益を実現している。これは、日本の“無責任世代”には絶対にわからない。例えば、世界で最も女性蔑視が激しい国の1つと言われるサウジアラビアでは、女性たちがネット上にある動画を公開したことで、政治指導層を飛び越えて国王を味方に付けてしまった。或いは、フランスでは極右政党が急激に勢力を拡大しているけど、その背景にはゲイの人たちを狡猾に取り込む戦略がある。ね、面白いでしょ? 日本では、若者に導火線を提供してくれるような大人がいない。単純でリアリティの無い話しかしない。「日本人って素晴らしいよね」とか、「兎に角、原発は今直ぐ全廃だ」とか、「安倍はファシストだ、戦争を起こす」とか。そこには其々の小さな美しさがあって、言っている人たちは気持ちいいんだろうけど、結局それじゃ何も変わらない。そんなチープな壁をぶち抜いて、もっと凄いところに行こう。僕が引き受ける。皆さんの導火線にバンバン火をつけていきます!


Morley Robertson 1963年生まれ、ニューヨーク出身。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、BSスカパー!『NEWSザップ!』、ニコニコ生放送『モーリー・ロバートソンチャンネル』、Block.FM『Morley Robertson Show』等にレギュラー出演中。


キャプチャ  2015年2月9日号掲載


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