【下村博文・辞任勧告スクープ】(07) 下村博文文科大臣、オカルト人脈と金脈――“怪人”深見東州側から600万円献金

文部科学省が教科化を推し進める“道徳”。その反面教師が、無届け後援会で追及を受ける下村博文文科相だ。だが、この御仁を調べていくと、出るわ出るわのオカルト人脈と金脈。子どもには教えられない、教科書には載せられない文科大臣のお話の始まり~、始まり~。

小誌が追及を続けてきた下村博文文部科学大臣(60)の不透明な政治資金問題は、今なお国会で追及が続いている。下村氏の全国各地の後援会『博友会』を巡る疑惑は教育業界との癒着を柔り出し、下村氏の大臣としての資質の欠如を浮 き彫りにしてきた。だが、下村氏のカネの流れを具に検証していくと、もう1つ重大な問題が浮かび上がってきた。それは、下村氏の精神世界やオカルトへの異常なまでの傾倒ぶりだ。実は小誌は2008年1月24日号で、オカルト予言者に入れ込む下村氏を取り上げている。予知夢で未来の出来事を知ることができると謳うブラジル人の自称・予知能力者のジュセリーノ氏だ。本業は英会話教室の講師だが、9.11同時多発テロや東日本大震災を予言したと豪語。更にイラク戦争を予言し、フセインの潜伏情報を事前にアメリカに通報していたと主張している。そして、「フセインの潜伏情報にかけられていた懸賞金2500万ドルの権利は自分にある」として、アメリカ政府を相手に裁判を起こしたことで有名になったという。日本に関しては、地下鉄サリン事件や阪神大震災・長崎市長射殺事件等を予言したと語っているが、その一方で2010年に消費税が35%になる等という出鱈目な予言も行ってきた。下村氏は、このジュセリーノ氏の予言を「殆ど90%は当たっている」とインターネット放送で礼賛。実際に彼と面談を果たしたことを自慢気に話しながら、彼の翻訳本まで推薦しているのだ。下村氏は当時、小誌の取材にこう語っている。「彼は予知で人を恐怖に陥れるのではなく、未然に防ごうとしている。紹介したのは、彼の話がショッキングだから。それが的中するしないではなく、一人ひとりが判断材料にすればいいのではないか」。この時の下村氏は文科大臣政務官・官房副長官を経験し、文科行政に一定の影響力を有していたとはいえ、当選4回の陣笠議員に過ぎなかった。だが、科学的なものに傾倒する姿勢は、当選回数を重ねるに連れ顕著になっていく。

2009年から下村氏が幹事長を務める『人間サイエンスの会』なる超党派議連がある。山本有二衆議院議員が会長を務め、定期的に講師を迎えて議員会館の会議室で講演会を開いている。会長の山本氏は、会の設立趣旨を「人間に係る潜在能力と地球の未来を調査研究し、時代の進軍に寄与することを目的としている」と文書で回答した。過去の演題を見ると、“臨死体験”“霊媒現象”“気の遠隔操作”等怪しい言葉がズラリと並び、オカルト色が鮮明に出ている。会を共催するNPO法人『国際総合研究機構』の山本幹男理事長が語る。「多くの日本の科学者は、教科書に載っていることだけが科学だと誤認している。我々は科学で解明されていないことを研究しているのです。それを怪しいという言葉で括る低次元の話な ら、一々反論するつもりもありません」。人間サイエンスの会の講師の中には、下村氏と個人的に親しい人物もいる。『真我開発講座』なる自己探求法を開発し、『心の学校』を設立・運営している佐藤康行氏だ。佐藤氏は下村氏とは20年来の付き合い。下村氏は、2012年6月30日から2日間に亘って佐藤氏の講座を受けた際、自身のフェイスブックにこう綴っている。「20年前に“真我開発講座”を受講して以来、これで5度目ぐらいになるが、人生の節目として受けている」「真我とは、宇宙(神)意識とも呼ぶことができ、これまで色々な宗教家が求めてきた“悟りの境地”でもある。それを全くオリジナルな方法で佐藤さんが開発し、セミナーとして開いているところが面白い」。ただ、下村氏は講習だけでなく献金も受けている。下村氏が支部長を務める自民党東京都第11選拳区支部(以下、11支部)の政治資金収支報告書には、2010年から4年に亘って個人や法人名で計56万円の記載がある。




11支部の収支報告書を見ると、宗教法人の関連団体からの献金が目を引く。「万能の天才」「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」「ギャグ爆発の宗教家」と称して、全国紙やスポーツ紙にロックコンサートやオペラ・書道展等の派手な新聞広告を打つ謎の人物、深見東州氏(64)。彼が教祖を務める新興宗教『ワールドメイト』も、下村氏とは近しい関係だ。深見氏は、コミカルな宣伝で知られる予備校『みすず学苑』の学苑長でもある。下村氏は2005年に、ワールドメイトの関連団体である『たちばな出版』や『菱法律経済研究所』等から計300万円の献金を受け、2009年にはワールドメイトから300万円の献金を受けている。一方、下村氏も2010年9月24日に、政治資金から1万2000円を『たちばな出版』宛てに“会費”として支出している。この日は、深見氏が主演・総合プロデューサーを務めるオペラコンサート『“ナブッコ”我が愛する地球よ!』が都内で開かれていた。因みに、この時のS席の値段は1万2000円だった。「ワールドメイトは、1984年に設立された神道系の宗教団体“コスモコア”を前身とし、現在の信者数は約7万5000人とされています。1993年、国税当局が脱税容疑で査察に入り、教団の資金の流れの解明に乗り出したことで、教団が内包していたトラブルが一気に噴き出しました。『霊感商法でカネを騙し取られた』として約8000万円の損害賠償訴訟を起こされた り、女性の元信者からセクハラ訴訟を起こされたことでメディアからも批判を受けた。結果的に、脱税での立件が見送られたことで事態は沈静化していきましたが、深見氏は脱税疑惑で相当懲りたようで、これ以来、政治家への献金も含めておカネの出し方にはシビアになったと言われています」(社会部記者)。2005年の献金当時、下村氏が文科大臣政務官の職にあったことを勘案すれば、そこに宗教法人格を目指していたワールドメイトの強かな計算があったとしても不思議はないだろう。「宗教法人の認証は、文科省の外局である文化庁の宗務課が担当します。ワールドメイトは2012年に漸く宗教法人の認証を受けていますが、一般的に宗教法人の認証には3年間の活動実績が必要です。文教族の議員が2009年にワールドメイトから献金を受けていること自体、疑いを持たれかねません」(同前)。下村氏は文科大臣に就任してからも、当時の東京都知事・猪瀬直樹氏らと共に2013年7月、深見氏が関係するスポーツ平和サミット東京大会に出席し、挨拶を行っている。

下村氏との関係について、ワールドメイト側は書面でこう説明する。「代表の半田晴久(深見東州氏の本名)は多くの公益団体の役に就いており、そうした場で紹介され下村氏と知り合ったのではなかったかと存じます。その後、TOKYO MXの“世界のいま”という番組ホストをやっていた時に下村氏をゲストに招き、教育問題を語り合った事もあると聞きます。代表の半田は、トニー・ブレアやビル・クリントン、オーストラリアのジョン・ハワードや、カンボジアのフン・セン首相等、日本でも世界でも、超党派で100人近い政治家と懇意にしています。下村氏はその中の1人として、懇意にしているはずです」(菱法律経済政治研究所)。更に下村氏は、女優の小川真由美を広告塔にしていた熊本の宗教法人『真言六字密教総本山 六水院』主宰者で“霊能者”の下ヨシ子氏からも、2009年に30万円の献金を受けている。下氏と言えば、一時はテレビや雑誌でカリスマ霊能者として持て難されたが、2010年に名古屋市内の元信者から、「『水子の霊が憑いている』等と何度も不安を煽られ、宗教的な儀式に法外な費用を払わされた」として、損害賠償訴訟を起こされている。2012年4月に名古屋地裁で、「不安に陥れたり畏怖させたりする行為は違法と認められる」として、約610万円の支払いを命じられ敗訴。控訴したが、後に取り下げた。その地裁判決の約2週間後、下村氏は政治資金から下氏に2万円を支出している。名目は“会費”。下氏の宗教団体に確認を求めたが、「取材には応じられない」の一点張りだ。

他にも、下村氏と宗教家との接点はある。藤田元司氏(元読売ジャイアンツ監督、故人)や九重親方等が信奉した宗教法人『日本聖道教団』なる団体の創始者の岩崎照皇氏。彼は、自らが理事長を務める環境団体『グリーンクロスジャパン』名で、2013年に下村氏に6万円を献金している。「理事長と下村氏は元財務大臣の尾身幸次先生の紹介で知り合い、年に1~2度食事をする仲です。一昨年には、うちの団体が主催するコンテストの文科大臣賞の授与式に出席して頂いたこともあります」(事務局長)。2011年には下村氏は、やはり献金者の『SPC JAPAN』の全国大会に出席し、プログにこう綴った。「記念講演での比嘉照夫氏の地震災害後のEMの活用についての話が興味深かった。EM技術による放射能被曝対策もできるそうだ。【中略】私も勉強してみたい」。EMとは、比嘉氏が完成させたと言われる微生物資材。この中に含まれる光合成細菌が放射能を別のエネルギーに転換させ、除染効果があるというのだが実証はされていない。問題は、下村氏の精神世界を追い求める“旅”が、文科大臣就任後も続いていることだ。2012年の11支部の収支報告書を見ると、『マハリシ国際ゲループ』なる団体が6万円を献金している。昨年11月20日の参議院文教科学委員会。アントニオ猪木議員がストレス社会の対処法として『マハリシ』という腹想法に触れた質問を行った際、下村氏はこんな答弁をしている。「私も今お話があったマハリシの超限想は研修受けたことがありまして、体験をしておりまして、禅もそうだと思いますし、また宗教もそういう部分があると思いますが、腹想することによって安らかな精神状況を作るということは、私は大変重要なことであるという風に思っております。アメリカにおいてはマハリシの大学もあるという風に聞いている中で、我が国においても学校教育の中で腹想等を導入するということは、子供たちのストレス解消や精神的にもプラスになる部分があるのではないかと思いまして、中々公立学校で導入するのは難しいと思いますが、私立学校で関心のある理事長等に紹介したこともあります」。個人的な腹想体験をきっかけにして、教育の現場に腹想法も持ち込もうと働き掛けていたというのだ。

マハリシとは、インド人のマハリシ・マへシ・ヨギ氏(故人)によって創設され、ヒンズー教をベースにした超越腹想と呼ばれる腹想法の指導を行う組織で、現在はオランダに本部を置き、全世界100ヵ国以上で活動している。日本にも普及拠点がある。実は下村氏は2011年12月、マハリシの那須研修センター『ヴェーダの森 那須』に夫婦で宿泊し、瞑想やヨガを体験しているのだ。ブログでは、その感動体験をこう綴っている。「宗教でいう悟りの道にも繋がるが、古くて新しいインプットの能力開発とも言える。那須は、兎も角至福の時だった。神様からのプレゼントに感謝したい」。日本における普及活動を担う『マハリシ総合教育研究所』の鈴木志津夫代表理事が、下村氏との関係を語る。「約4年のお付き合いになります。我々としては、『日本の学校の中で1校か2校だけでも、限想法を教育に導入してもらえないか』という思いがあり、下村先生とアポイントを取ってご説明に伺ったり、実際に議員会館で腹想の研修を受けて頂いたりしました。2011年6月に、アメリカのマハリシスクールの理事長が来日した際には博友会で講演もさせて頂きましたし、我々も博友会のセミナーには頻繁に参加させて頂いています。昨年も、マハリシ大学の学長が来日した際に大臣室に伺ってお話を聞いて頂きました。(献金としての)経理処理がどうなっているかはわかりませんが、我々は博友会の講演会参加費としてお金をお支払いしています」。言うまでもなく、マハリシの眼想法が学校教育に取り入れられることは、マハリシにとって大きなメリッ トがある。そうした団体から献金を受け、文科省が大きな影響力を持つ私立学校に働き掛け、更に国会の場でも肯定的な答弁をする。

こうした面々との交遊について、下村事務所は次のように回答した。「与野党問わず、広くお付き合いをされている方々と存じております。下村についても、交友のある1人として認識しております」。新興宗教等に詳しい紀藤正樹弁護士が語る。「下村氏のような文教族議員が、社会的な問題を引き起こしたような宗教団体や教祖から献金を受けていることについて、驚きを禁じ得ません。況してや、宗教法人の認証に関わる文科大臣ともなれば、宗教法人との特別な関係は不適切であると言わざるを得ません」。日本の教育改革を、オカルトかぶれの文科大臣には任せておけない。


キャプチャ  2015年4月16日号掲載


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