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富士フイルム、工場廃水の再利用促進――レンズ洗浄工程に導入、中国の生産拠点6割節水

富士フイルムが工場の廃水リサイクルに取り組んでいる。気候変動などの影響によって水不足が予測される地域もあり、資源の節約は重要な課題になっているからだ。レンズ洗浄の後工程で使用した比較的きれいな水を再利用するなど地道な努力によって、中国の工場では年間使用量を6割削減している。

「もう一度工場内での水の利用を徹底的に見直してほしい」。CSR推進部の渡辺信夫シニアエキスパートは欧米と中国・日本の環境担当者が集まる会議で切り出した。富士フイルムは写真フィルムからカメラ・印刷・医薬品まで様々な事業の工場を抱える。工場で作るものが違えば、水の使用量も違い、水の使い方も様々だ。一様にこういうやり方をすればいい、ということではなく各拠点ごとにアイデアを出してもらうことにした。






キーワードの1つが廃水のリサイクルだ。一度使った水をもう一度使えないか。これが簡単そうにみえて難しい。どの工場も廃水処理では人体などに悪影響を及ぼす可能性のあるものは徹底して取り除き、基準値を十分に下回る量にすでに抑えている。しかし、基準値以下にしても、完全なゼロになるわけではない。環境に影響が無くても、製品の製造段階でその基準値以下の物質が影響する可能性があるからだ。そこで中国(天津)でレンズ加工などを手掛ける工場が考え出したのは、レンズの洗浄工程の後半の方の比較的きれいな水をレンズを最初に洗う水に再利用する方法だ。加工後のレンズは何度も洗浄し、加工中に付着したものを洗い流す。最初の1回は多くの汚れが水の中に入るが、最後の洗浄に使う水はほとんど汚れない。この最後の水を最初の洗浄の水としてもう一度使うことで、節水を考えた。

考え出したきっかけはレンズとは別の富士フイルムの写真の現像工程での節水技術からだ。現像液を洗い流す際の最後の方で使う比較的きれいな水を最初の洗浄の水に使うという方法だ。環境担当者が話し合った結果、レンズの洗浄工程でもこれが使えるとわかった。「各国の様々な拠点の環境担当が集まって対話をする成果」と渡辺氏は話す。こまめに水を止めるなど地道な努力を重ねた結果、天津の工場では年間水使用量の約6割にあたる1万6000トンを削減できたという。

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米サウスカロライナ州のカラー印画紙の製造工場では水処理から見直した。細かい目の水処理膜を活用し、廃水を再利用できるまで浄化する方法を採用した。印刷物によって水に混ざる物質や濃度が大きく異なるため確実にきれいな水にできるかどうかは不安もあったという。目詰まりなどを起こさせないための膜を洗い流す頻度や流量、廃水処理機への水の投入量などを工夫し、2013年12月に稼働を始めた。現在までの稼働状況からの推計で年間約3億リットルの水使用量の削減につながるという。工場の廃水リサイクルは資源の有効活用だけでなくコスト削減の観点からも重要だ。富士フイルムは各国の環境担当者による話し合いを続けながら取り組みを進める。 (小河愛実)


キャプチャ  2014年10月17日付掲載
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