【働きかたNext】第4部・若者の選択(中) インターン、会社の実態知る――裏側まで体感、将来の糧に

真っ白な自分を売り込んで、働き方は会社にお任せ――。そんな就職活動の在り方が変わり始めた。東京都内の大学院の修士1年・田久保信二(24・仮名)は昨年の夏から今年にかけて、8社で就業体験を行うインターンを熟した。金融大手『バークレイズ』日本法人の3週間のインターンは激烈だった。夜中1時まで働き、タクシーで帰る日々。入社1年目の社員と同じ仕事を求められた。35万円の報酬を得られ、短縮選考を持ちかけられたが、「働きに終わりがないのはしんどい」と見送った。『DeNA』のインターンは3泊4日のグループワーク。日々新規事業を考えるのは面白かったが、最初はもっと幅広い視野を持てる仕事に就きたいと感じた。インターン中に複数の内定を得た田久保は結局コンサルタント会社に進路を決め、1月に就活を終えた。「仕事の時は徹底的に働き、休むときは休む。オンとオフが明確なのが魅力」。インターンを通じて見えた働き方が決め手となった。

経団連が採用活動のルールを変更し、日程が大幅に変わった2016年卒の就活。会社説明会の解禁が3ヵ月遅れたことで、空いた期間にインターンを行い学生の囲い込みを狙う企業が相次ぐ。だが実際は、学生が働き方を強かに見極める場になりつつある。業務ソフト大手『ワークスアプリケーションズ』が開く“採用直結”のインターン。20日間で課題を熟し、認められれば内定と報酬の50万円が得られるが、人気の理由はそれだけではない。インターンを受けた京大経済学部3年の天野史也(21)は、「厳しい指導で追い込んでくれる。社会人で必ず役立つ」と打ち明ける。「就活中に長期的な働き方を意識する学生が増えた」(立教大学キャリアセンター)。売り手市場の中、上辺だけのインターンでは足元を見透かされる。




今年の就活で俄かに登場した“ワンデーインターン”。会社で簡単な説明を受け、1日だけ職場見学をするものだ。学生との接点作りに悩む企業の苦肉の産物だが、学生からは「これでは実態が見えてこない」と不満の声が漏れる。敢えてありのままを見せる企業も出始めた。初めてインターンを受け入れた『松竹』は、華やかな現場の裏側も見せた。厳しい言葉が飛び交う現場に萎縮しないか懸念したが、参加した多くの学生がエントリーしたという。「『映画が好きだから』だけでない志望者が増えればいい」(人事部)。インターンは飽く迄就業体験。学生を無理に抱え込もうとせず成長の場と捉えれば、学生と企業の新たな関係も見えてくる。ウェブサービス会社『ガイアックス』のオフィスで働く北村耕太郎(22)は、同社の社員ではない。大学1年生の2011年にインターンに応募。ウェブソフトの営業経験で「会社の仕組みやお金の流れがわかってきた」と自信をつけ、アプリ開発会社を自ら立ち上げた。実績を見込んだガイアックス社長が出資し、オフィスの使用も認めた。3月に大学を卒業した北村はいよいよ社長業に本格的に挑む。就活の日程変更で増えるインターン。学生が職業経験を通して働き方を選ぶ本来の姿が根付けば、入社後すぐ辞めるミスマッチは減る。学生時代に見極めの機会を如何に活用したかが、社会人になった後の差にも繋がりそうだ。 《敬称略》


≡日本経済新聞 2015年3月31日付掲載≡


スポンサーサイト

テーマ : 仕事探し
ジャンル : 就職・お仕事

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR