「マウンドでは、最後は気持ちだ」…田中マー君を蘇らせた黒田博樹の男気メール

Masahiro Tanaka 01

試合前の外野でのひとコマ。敵味方関係無く日本人メジャーの輪ができ、談義の中心はいつも黒田博樹(40)。1年目の田中将大(26)も熱心に会話に耳を傾ける。それが昨年まで見慣れたヤンキースタジアムでの光景だった。昨年1月、ヤ軍入りが決まると、田中は真っ先に黒田に電話で連絡を取った。それに応え、黒田もヤ軍投手陣との橋渡し役を買って出た。田中が直ぐにヤ軍に溶け込めたのは、黒田の存在が大きかった。田中は昨シーズンの前半戦、破竹の勢いで白星を重ねた。だが、7月のインディアンス戦で右肘靭帯の部分断裂という重傷を負い、長期離脱が決定。その際、田中はメールで黒田に「迷惑かけます」と連絡した。対して黒田は、「彼しかわからないものを背負って投げてきたので、少し野球の神様に休ませてもらえると思う」と発言。後日、田中はこのコメントに「どれだけ救われたか」と吐露した。

実は、田中が黒田の助言に因って救われたのはこれだけではない。今季、黒田の抜けた穴を補うべく、開幕投手に抜擢された田中だったが、右肘靭帯部分断裂の影響は少なくなかった。球団ドクターから70~80%の力で投げることを勧められ、速球が150kmを超えることは1試合で僅か数球だ。「田中は今、『俺の力はこんなものではない。100%の力で投げられたら…』という葛藤とも戦っています。当然の如くフラストレーションが溜まり、マウンド上での表情もどこかイライラして見える」(現地記者)。そんな窮地を救ったのが、黒田からのメールだった。現地記者が続ける。「今年、本調子ではない田中を心配して黒田がメールを送ったが、そこには『技術・肉体・結果がついてこないこともあるが、マウンドでは最後は気持ちだ。魂を持ってマウンドに立つことを忘れるな!』と書かれていたそうです。昨年田中は、決して本調子ではない黒田がそれでも年間を通してローテーションを守る姿を目にし、『野球は気持ちでやるもの』と感じたといいます。今回のメールで、気持ちの大切さを再確認した。だから、4月19日の好投(7回零封で2勝目)に繋がったのでしょう」




遠く離れても、2人のやり取りは続いていたのだ。黒田が広島復帰で初勝利を挙げると、早速田中からメールが届く。そこには「ナイスバッティング(笑)」と。これには黒田も、「多分、僕のバッティングをナメているんでしょうね」と嬉しそうに笑った。「黒田は田中を“マサオ”と呼ぶんじゃけど、理由は『顔がどう見てもマー君って優しい顔じゃないから』とのこと(笑)。広島復帰後も、『マサオのことはできるだけフォローしていきたい』って言うとった。ただ、黒田はアドバイスをするにしても『俺の場合はこうする』と押し付けはせんのよ。人其々にやり方があるから。唯一、口癖みたいに言うのが『この1球で終わっても悔いが無いように』ということだけ。田中は、もうかわいい弟。兄弟みたいな関係なんじゃろうね」(広島のテレビ局記者)。今季開幕2戦の乱調スタートで、現地メディアからは「WHO IS THIS GUY?(この男は誰だ?)」とまで報じられ、本人は報道陣を避け無口を通していたという。その殻を破ったのは注魂メールだった――。


キャプチャ  2015年5月12日・19日号掲載


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