フジテレビ凋落…人と組織はこうしてダメになる――何をやっても失敗する“過去の3冠王”、現役社員・OB・関係者の証言で“絶頂からの転落”を徹底検証!

フジテレビの視聴率低下が止まらない――。今春からスタートしたタ方の報道番組『みんなのニュース』(報道局制作)は、常に民放4位で推移。フジテレビの代名詞だった若者向けドラマでは、『戦う!書店ガール』が視聴率1ケタ、月9の『ようこそ、わが家へ』も10%台前半と振るわない。唯一“他局と戦えている”『めざましテレビ』『とくダネ!』を制作する情報制作局も、社運を懸けた新番組『直撃LIVE グッディ!』が平均視聴率2%台で推移、4月20日には1.7%にまで落ち込んだ。この状況を受けて、4月24日の定例会見に臨んだ亀山千広社長(58)は「イライラしています」と心情を吐露し、視聴率低迷の原因をこう指摘した。「この状態の一番の原因を作ったのは、ドラマだと思う。どう面白く作るかを考えてほしいと思っています」。だが、フジ現役社員やOB・制作会社社員等関係者は、本誌の取材に様々な低迷の理由を語る。共通するのは“閉塞感”だ。なぜ、フジは絶頂から転落したのか?

①現場を知らない上司の介入
「日枝久会長(77)のイエスマンとなって出世した一部の上層部と現場との温度差が、開局以来最大級に広まっています」。こう語るのは、フジの中枢である編成制作局に所属する現役社員。彼は「上司が現場の声を間いてくれない、話が通じない」と嘆き、こう続ける。「例えば、“水曜歌謡祭”(初回2時間スペシャルが7.3%で民放最下位)の司会に森高千里さんが抜擢されました。森高さんはキレイだし、現場の人気も高いですが、本職は歌手。司会なら加藤綾子アナなり元フジの高島彩アナなり、慣れている“本職”を押さえないと番組としての狙いがブレる。そういうシンプルなことを、上層部はわかっていないのです」




②作品の質よりタレント優先
今クールの月9ドラマの主演は、『嵐』の相葉雅紀。このキャスティングにも一悶着あった。前出の社員が明かす。「今回の主役は相葉クンに決まりましたが、“ジャニーズ枠”なのでコンサート等を理由にキャストの決定が延びてしまった上に、脇役の配役にまで上層部が口を出してきた。役者ありきで脚本を作った為に設定がチープになったり、事務所からの“赤入れ(修正依頼)”が多かったりで、内容がチグハグになってしまっているのです」。脚本の上がりが遅くなれば、撮影までの準備時間も短くなる。現場のスケジュールは役者の都合で取られている為、最終撮影日も動かせない。「適当に書いた脚本で適当に撮影しても、数字が取れる訳ないんです。WOWOW等のドラマは目先の視聴率に左右されないから、作品の作り込みが細かい。フジからWOWOWに移ったプロデューサーもいます。現場のスタッフは切羽詰まり過ぎて、寝る時間すら無く居眠り運転が多発、“運転禁止令”が出て、スタッフと機材運搬用の車にも運転手が付きました」(フリーのデイレクター)

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③結果が出るまで我慢できない
1992年に記者として入社し、報道局の解説委員まで務めた安倍宏行氏は、入社3ヵ月でマイクを握ってレポートをしていたという。2009年には、インタビュー形式の報道番組の立ち上げも任された。「BSフジの“プライムニュース”を、日枝会長や太田英昭さん(現在のフジメディアホールディングス社長)からのトップダウンでやることになったんです。2時間のロングインタビュー番組を月~金の帯でやるという挑戦的な企画は、『接触率(BS放送における視聴率)は気にしないでいい』という上層部の理解がないと不可能です。それでも、結果が出るまで1~2年かかりました」(安倍氏)。現在、フジで最も苦戦しているのは『直撃LIVE グッディ!』と『みんなのニュース』だが、「時間がかかっても軌道に乗せる」という雲囲気は無い。「グッディには『社運を懸ける』と言われていますが、報道局で“女帝”と怖れられている安藤優子アナを“切る”為の番組と専らの噂です。タ方の“スーパーニュース”時代、演出の指示に真っ向から反抗して自分の思い通りに番組を仕切った安藤アナを、情報制作局のグッディに横滑りさせた。打倒“ミヤネ屋”の為に声をかけたスタッフも、目標の7割くらいしか集まっていません。そのグッディよりも危険なのが“みんなのニュース”。先ず、メインの伊藤利尋アナにやる気が見られません。アナウンス室では『所詮サラリーマンだから仕方無い』と、放送開始前の1月から愚痴りっ放し。加えて、脇を固める生野陽子アナと椿原慶子アナの仲も険悪で、雰囲気も最悪です。“めざましテレビ”をタ方に持ってきたような構成で、コンテンツも弱い」(フジテレビ幹部社員)

④系列局が募らせる不満
どうしても『グッディ』を推したい上層部は、強硬手段に出た。系列局の関西テレビ関係者が憤る。「打倒“ミヤネ屋”を謳い文句に、全国の系列局へ放送を強制してきたんです。3月までウチは“ハピくるっ!”という芸能ニュースに強いワイドショーを放送し、“ミヤネ屋”と棲み分けてきたんですが……。抑々、宮根さんにはウチとフジテレビで共同制作している“Mr.サンデー”(日曜22時)でお世話になっている立場ですから、態々ケンカを売りたくはなかった」。関テレの不満を和らげる為、亀山社長は“虎の子”を差し出した。「過去に“踊る大捜査線”や“救命病棟24時”等を放送した火曜21時のドラマ枠を、関テレ制作の番組に充てたんです。関テレはフジの色を消す為、フットボールアワーの後藤輝基さんと木村佳乃さんのバラエティ“発見!なるほどレストラン”を組みましたが、初回視聴率は4.0%。第2回も4.5%と、早くも打ち切り候補です」(前出・幹部局員)

⑤スペシャリストを育てない
フジテレビは、音楽番組の制作に携わる局員を『音組』として、専門的に育ててきた。そのトップにいたのが、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』や『堂本兄弟』シリーズ・『FNS歌謡祭』等を手掛けてきた、きくち伸プロデューサー(現在はペイTV事業部ゼネラルプロデューサー)。しかし、彼は昨年6月に亀山社長の発案で断行された1000人規模の大人事異動に因って、現場から外されてしまった。

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⑥世代交代の失敗
「レジェンドのきくちさんを外して、“水曜歌謡祭”の現場を仕切っているのは、30代前半の女性ディレクター。彼女も優秀ですが、上層部の意見を跳ね返し切れないんです」(番組制作会社社員)。実は、この状況と同じことが2009年秋に人気バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』で起きていた。「番組立ち上げから“総監督”として指揮していた片岡飛鳥チーフゼネラルプロデューサーが、めちゃイケの演出から離れたんです。残された制作陣は『若し数字が下がったら自分の責任になる』とビビってしまって、飛鳥さんがやった企画の焼き直しが増え、視聴者が離れてしまいました。岡村(隆史)さんの入院で新レギュラーを入れたことも失敗に終わり、結局昨年の異動で飛鳥さんが戻ってきました。現在は、飛鳥さんと30代までの若手で作っています」(前出・制作会社社員)

⑦見当違いの経費削減
管理部門に所属する社員が語る。「今の経宮陣が現場にいた頃は、タクシーチケットのばら撒きやキャバクラでの豪遊なんか当たり前でしたが、現在は24時を超えないとタクシーチケットを使えませんし、同じ方向で相乗りするのは当たり前。社内の電気を3分の1も消灯して節電したこともありました。爪に火を灯すようにして経費を削って亀山社長がやったのは、社屋外観のイルミネーションですよ。業績と照らし合わせて、社員たちは“球の出ないパチンコ屋”と揶揄しています」

⑧組織弄りに熱中する幹部
ある広告代理店の担当者は、オフィスを訪れる度に変わっている机のレイアウトに辟易しているという。「組織弄りや人事異動が多過ぎて、数ヵ月に1回くらいの割合でフロア内の引っ越しが行われているんです。行く度に担当者の机の位置や向きが変わっていて混乱しますし、引っ越しに忙殺されて仕事にならない時間も多い」

⑨結局、“原点回帰”しかない
「現在、TBSと視聴率民放3位を争っているのは、調子の良かった時代に局員1人ひとりが危機感を持たずに改革を怠った結果と言えるでしょう。そういった意味では、全員に責任があります」(前出・安倍氏)。現状は八方塞がりに見えるが、4月22日、「首相官邸に落下していたドローンから放射性物質が検出された」とグッディが逸早く報じ、話題になった。「警視庁からの中継や放射性物質がセシウムだったこと等、情報の質・量共にグッディが圧倒していました。中継も実際に取材した記者が喋ると、スタジオとの応答で説得力があります。完全にニュース番組になってしまいましたが、番組の信頼性を上げるにはいいキッカケでした」(同前)。元フジテレビアナの長谷川豊氏もエールを送る。「社内に優秀なクリエイターは多いので、少しのキッカケで復活する筈。早ければ3年、遅くとも東京五輪までには視聴率3冠を取り戻すでしょう!」。フジの周落は、どんな組織でも起こりうる事態。過去の成功体験に安住した瞬間から、危機が忍び寄っているのだ。


キャプチャ  2015年5月15日・22日号掲載


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テーマ : フジテレビ
ジャンル : テレビ・ラジオ

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