【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(10) 日本に必要なのは、ならず者を応援する“チンピラノミクス”だ!

「日本の企業が弱体化したのは、“キャッチアップモデル”を捨てられないから」――。先日、テレビ番組で共演した方がそんなことを口にしていました。「戦後の日本経済はアメリカの製品やサービスをコピーし、改良を重ねること(=キャッチアップ)で成長し続けた。しかし、ここ20年以上もその方式が世界市場に通用せず、停滞している。なのに、今もキャッチアップ思考を捨てられず、どんどん弱体化している」と。

僕の専門であるDJ機器の世界でも、これは明確に当て嵌まります。1990年代には、日本メーカーの『ベスタクス』や『パイオニア』がクラブシーンをリードし、世界中の有名DJが両社の製品を使った。しかし、近年は影響力を大きく落とし、ベスタクスは昨年末に破産。パイオニアもつい先日、DJ機器事業を事実上売却。もう見る影も無い。それに代わって今、DJ関連機器やソフトウェアの分野で大きな力を持っているのは、『ネイティブインストゥルメンツ』と『エイブルトン』。どちらもドイツの会社です。日本のメーカーが過去の成功体験にしがみ付いて、凝り固まった“DJ道”から逃れられなかったのとは対照的に、彼らは「音楽を作るとは何か?」「作曲行為とは何か?」「パフォーマンスとは何か?」を基礎から見直し続けている。だからイノベーションが起きて、どんどん進化していく。アップルが音楽の聴き方を変えたように、彼らはDJの世界の構造・フレームワークを変えてしまった。これは日本社会全体に言えることだと思うけど、確かに嘗てはルールさえ守っていれば幸せが訪れる時代もあった。でも、今は殻に籠ってルールを死守しようとしても生き残れない……というか、ルール自体がどんどん変わっていく時代だと思うんです。中々変われない組織は、多分それがわからない人たちが上のほうに大量に居座っているんじゃないかな?




今必要なのは、日本的な潔癖さから脱却して、グレーゾーンを許容すること。昔なら爪弾きにされていたような、ルールを逸脱する“ならず者”を応援する。そういう人たちは存在自体がカオスで、不協和音が生まれたり、問題を起こすリスクは勿論ある。でもそれを呑み込みつつ、それ以上のベネフィットを獲りに行くべきです。例えば、シリコンバレーは基本的に“ならず者天国”。溢れんばかりの野心と無鉄砲さを持つ人々を資本家が支援することで、大きなイノベーションが生まれる。ハリウッドでもバリバリの社会派作品で清廉潔癖な役を演じる俳優が、プライベートでは薬物パーティーを開いてバカ騒ぎしていたりする。若し日本だったら、それがバレた途端、「クズみたいなヤツが演じる作品に価値は無い、説得力が無い」みたいな話になりそうだけど、向こうではそうはならない。人間、無茶苦茶な経験をしたからこそ生まれる深みもある。ならず者でも、いい仕事をすればいい! 遊び心や無責任さを許容し、ならず者が活躍する新しい日本を作る――この“チンピラノミクス”が成功すれば、社会にグルーヴが生まれる。そうじゃないと、これからは中国やインドのとんでもない勢いに勝てないと思います。


Morley Robertson 1963年生まれ、ニューヨーク出身。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、BSスカパー!『NEWSザップ!』、ニコニコ生放送『モーリー・ロバートソンチャンネル』、Block.FM『Morley Robertson Show』等にレギュラー出演中。


キャプチャ  2015年4月13日号掲載


スポンサーサイト

テーマ : 自己啓発
ジャンル : ビジネス

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR