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松島法相『うちわ』で辞意…“法の番人を告発”の異常

小渕優子経済産業相(40)が辞任に追い込まれたが、こちらは『法の番人』が“法への意識”を問われる異常事態だ。松島みどり法相(58)が、自らの選挙区(衆院東京14区)で『うちわ』を配ったことが公職選挙法で禁じられた寄付行為に当たるのではないかと野党に追及され、辞意を固めた。“うちわスキャンダル”の深層を探るべく、松島氏の地元を歩いた。 (浦松丈二)

東京都荒川区のおぐぎんざ商店街。7月19・20日にここで開かれたイベント『ふれあい祭り・夏の陣』で、問題の『うちわ』が配られた。あるスタッフが証言する。「松島さん本人が商店街の事務所にやって来て、『暑いからどなたかに持っていってもらってください』と20本ぐらいを机に置いていった。秘書も一緒だった。訪れたお客さんたちが『あれっ、変わったうちわだな』などと言いながら1本、また1本と持っていき、全部なくなった」。その『うちわ』には松島氏の名前・似顔絵イラスト・「働きます日本のため下町のため」の文字、反対面には昨秋から今年にかけて国会で成立した法律が列記されていた。今月7日の参院予算委員会で民主党の蓮舫議員から「これはうちわでは」と問われ、松島氏は「討議資料だ」と苦しい釈明をしている。確かに『うちわ』の裏表それぞれに、“後援会討議資料”の文字はある。ただし、3mmにも満たない極小文字で……。






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この問題を荒川区議会で質問した斉藤ゆうこ区議は、手帳を繰りながら言う。「7月20日に“ふれあい祭り”に出かけたら、松島さんの“うちわ”を持っている人がいたのでもらいました。それが1本目でした」。その後、8月2日=南千住仲通り納涼祭▽同3日=赤土町会縁日▽同24日=尾久小学校・尾久宮前小学校・荒川第九中学校・日暮里駅前広場の各盆踊り−−の6ヵ所でも松島氏の『うちわ』が配られるのを見た。「受付場所に積まれていたり、秘書が1本1本渡したりしていました。他の区議たちも見ていて、『寄付行為でしょう』『これはアウトだな』と言い合っていたんです」。荒川区選挙管理委員会の事務局長は9月30日の区議会で「公選法に抵触する可能性がある」と述べている。松島氏が衆院法務委員会に提示した文書によると、『うちわ』は2012~2014年の3年間に計2万1980本が作られ、印刷代など総経費は約178万円。単価は36~135円だ。

取材を進めると、2012年夏に製作された『うちわ』に絡む疑問も浮上した。それには名前・顔写真の他に「働かせてください もう一度。」の文字。反対側にも名前と似顔絵、“実現力”の太い文字が刷られている。当時、松島氏は落選し浪人。業者の領収書などによると『うちわ』は1480本製作された。松島氏は同年12月の衆院選で、返り咲き当選を果たしている。「この“うちわ”は、(やはり衆院東京14区に属する)墨田区内の盆踊りで松島さん自身が配っていました。これには“討議資料”の文字すらない。寄付行為と受け取られても仕方がなく、完全にNGでしょう」。そう指摘するのは、政治や行政の不正を追及する『墨田オンブズマン』代表の大瀬康介・墨田区議だ。前述の領収書などによると、松島氏の『うちわ』の製作数は2013年5500本・2014年1万5000本と急増している。「2012年の“うちわ”がおとがめを受けなかったので、本数を増やしたのかもしれない。ただ、今年の分には“討議資料”と入れて言い逃れようとしたのではないか。法相がこんな姿勢では、警察も検察も選挙違反の摘発に動きにくくなってしまう」。大瀬区議はそう懸念するのだ。

まだある。業者が作成した2012年の『うちわ』の関連書類には“Sポリウチワ 単価45円 1480本 7万770円(税・送料込みの額)”などと書かれているが、松島氏が代表を務める自民党東京都第14選挙区支部の収支報告書では“資料作成費”として同額を同じ業者に支払ったことになっている。この業者の法人登記簿の目的欄を見ても“うちわの卸販売”はあるが、“資料作成”とは書かれていない。大阪の市民団体『政治資金オンブズマン』共同代表の上脇博之・神戸学院大大学院教授は「収支報告書に“うちわ”でなく“資料作成費”と書いたのは、公選法違反の寄付行為との指摘を避けるためではないか。厳密には政治資金規正法違反の虚偽記載に当たる疑いがある。2012年の“うちわ”についても、公選法違反の疑いが濃厚だ」と語る。

JR日暮里駅前や周辺の商店街には、松島氏と対立候補のポスターが何枚も張られている。朝日新聞記者だった松島氏は1995年に自民党の公募候補となって以来、保守系の西川太一郎氏(現荒川区長)やその元秘書と保守分裂の激しい選挙戦を繰り広げてきた。今回の問題には、「年中選挙」(地元区議)といわれる土地柄が関係しているとの指摘もある。斉藤区議は8月3日の縁日で、松島氏に“見解”を尋ねている。「『これってチラシに棒が付いているってことですか』と聞いたら、松島さんは『そうよ』と答えたのです。公選法の理解不足ではなく、確信的に配布しているのだと思いました。このやりとりを松島さんは覚えているはずです」。地元区議から問いただされていたにもかかわらず、松島氏側は9月の法相就任後も“経済産業副大臣”などの文字の上に“法務大臣”とのシールを貼っただけで、うちわを配り続けていた。

弁護士や学者らでつくる市民団体の代表は「公選法違反の疑いで松島氏を東京地検に刑事告発することを検討中だ」と話す。「うちわを配布したのが松島氏なのか、団体なのかで適用する法律の条文は違ってくる。製作費をどこから出したかなどを調べ、告発内容の細部を詰めている」。告発が受理されれば、捜査をするのは“法務省所管”の地検だ。捜査や起訴について検事総長への指揮権を持つ法相として、松島氏は微妙な立場に置かれる。実際、本紙がつかんだ2012年夏の『うちわ』を巡る疑問点について見解を求めると松島氏は17日、「公選法、政治資金規正法違反に当たるかどうかをお尋ねになるもので、法務大臣の職責にある本人としてはコメントできない」と回答した。「今後は配布しない。法相としての務めを果たす」。15日の衆院法務委員会でそう述べ、一度は辞任を否定した松島氏。だが、民主党議員が公選法違反容疑で東京地検に告発するなど追及はやまなかった。20日にはついに辞任の意向を固めたが、あいまいな幕引きは許されまい。


キャプチャ  2014年10月20日付夕刊掲載
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