【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(17) 宮崎駿監督の“夢”に拍手を送っている限り、リベラルは勝てない!

アニメ映画監督の宮崎駿さんが、沖縄のアメリカ軍辺野古新基地建設に反対する『辺野古基金』の共同代表に就任しました。宮崎さんは昨年11月、オスプレイ配備や新基地への反対運動に直筆でこんなメッセージを寄せています。「沖縄の非武装地域化こそ、東アジアの平和の為に必要です」。素晴らしい、理想的です。でも、大隅海峡や宮古海峡では中国人民解放軍が軍用機をバンバン通過させています。南シナ海では、珊瑚礁を埋め立てて勢力を拡大しています。それでも、沖縄が銃を捨てれば「我々も銃を捨てよう」となるんでしょうか? アメリカ軍基地問題のみならず、原発にしてもTPPにしても、リベラルな主張を声高に叫ぶ文化人・著名人は沢山います。主張自体は尊重されるべきですが、問題はそのスタンス。本当に決着をつける気があるのか? 単なる“ポエム”じゃなく、厳しい議論に耐え得るだけの材料を持っているのか? なぜか、日本では大手メディアが彼らの主張の整合性について検証しない。あの宮崎駿が、世界の坂本龍一が、ノーベル文学賞の大江健三郎がこう言っている……。終わり。有名であればあるほど、感性でモノを言うことが許されている。発言者の知名度と発言内容の実行可能性が反比例している。

欧米では、著名人が政治的な発言をする時、言いっ放しは許されません。ハリウッド俳優でもミュージシャンでも、大手メディアや専門家から直ぐに容赦無いツッコミが入る。それに対して、本人が直ぐに反論し、周囲を巻き込んで論戦に持ち込めなければ、もう真面には取り合ってもらえない。それくらいの覚悟と理論武装が必要です。例えば、『Band Aid』『LIVE AID』等の大型チャリティーコンサートの発起人で、巨額の寄付を実現しているアイルランド出身のボブ・ゲルドフというミュージシャンがいます。イギリス王室から『ナイト爵位』を授与され、2006年にはノーベル平和賞にもノミネートされた。それでも、その活動について専門家やメディアから批判や検証がなされ、度々矢面に立たされています。意地でも自身の考える“正義”を貫き、セレブリティーたちを巻き込んで寄付を募り続けるゲルドフ。一方、「『義援金を放り込めば問題が解決する』と考えるのはミスリードだ」と批判する人たち。両者の間で鬩ぎ合いが続いている。他に、『U2』のボノも多くのチャリティーを実現していますが、やはり常に賛否両論がついて回り、屡々論戦が巻き起こっています。




しかし日本の場合、“世界のミヤザキ”というブランドが自身の夢をふんわりと語り、そこに大々的なツッコミが入ることもない。元々そういう思想を持つ人々だけが、ただただ感動し続ける構図がある。議論は巻き起こらず、現実は動かない。本当の問題は、夢を語る人々自身よりも、彼らをガチンコで問い詰められないリベラル陣営の若い世代にあるとも言える。若し現実路線のリベラルが上の世代の“ドリーマー”たちをリタイアさせられれば、保守派との議論はもっと活性化されていく筈です。ポエムに酔いたいのか、それとも本当に現実を変えたいのか。この問いにどう答えますか?


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)等に出演中。新しい世界を生き抜く為の知恵が詰まった電子書籍『モーリーの“知的サバイバル”セミナー』シリーズも好評発売中。


キャプチャ  2015年6月8日号掲載


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