【強欲中国に勝つ】(上) 日米豪印の潜水艦包囲網が中国の“紅い野望”を粉砕す!

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「中国の軍事警戒ゾーンに近づいている。今直ぐ立ち去れ!」。5月、中国が埋め立てを続ける南シナ海のスプラトリー諸島をアメリカ軍の哨戒機が飛行したところ、中国海軍から8回に亘って警告を受けたという。偶々、哨戒機にCNNの記者が同乗しており、緊迫する様子が中継された。今、スプラトリー諸島には“砂の長城”がどんどん広がっている。アメリカ軍の報告では、今年に入って僅か4ヵ月で4倍、約8㎢にまで拡大した。中国は、年内にも核を搭載した原子力潜水艦で哨戒活動をするといわれている。中国がスプラトリー諸島に拘る理由は何か? 「中国が輸入している原油の約半分がマラッカ海峡経由です。マラッカ海峡は有事の際、アメリカ軍に封鎖される可能性がある。そこで、中国はタイと交渉し、マレー半島を横断するクラ運河の建設に今月合意しました。この運河が完成すれば、中国は短時間でインド洋に出ることができます。スプラトリー諸島は、このインド洋ルートの入口なのです」(海上自衛隊・潜水艦隊OB)。「中国の野望はそれだけではない」と、軍事ジャーナリストの菊池雅之氏。「北極の氷が融け、北極海の航路が開けました。中国は国際航路の為、自由に航行できる宗谷海峡・津軽海峡を通り、北極航路のルート確保も目指しています」。北極海を越えて大西洋に出れば、目の前はアメリ力の東海岸――つまり、ワシントンやニューヨークだ。現在、中国は弾道ミサイルで直接アメリカ本土を狙える潜水艦を3隻配備しているが、中国が潜水艦で大西洋に出られるとしたら、アメリ力に対する大きな抑止力となる。アメリカ軍が南沙諸島の埋め立てに神経を尖らせるのも、こうした潜水艦を軸とする中国の拡大戦略が原因だ。

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「中国は今、どんどん潜水艦を増やしており、既にアメリカ軍の潜水艦の数を上回っていると推測されます。中国の海軍力はアメリカ海軍に及びませんが、実は潜水艦は魚雷1発で巨大な空母を沈めることができる。2007年に、台湾海峡で中国の宋級潜水艦がアメリカ空母“キティホーク”を追尾した事件がありました。不測の事態は避けられましたが、若し潜水艦が魚雷を発射すれば、“キティホーク”は撃沈されていた筈です」(前出・海自OB)。対象に気づかれずに近づき、突然魚雷を発射すれば、相手は防御が難しい。現代の魚雷は敵艦の直下で起爆し、一気にキール(船の背骨部分)を破壊するので、たった1発の魚雷で極めて大きな損傷を相手に与えることができる。潜水艦が“最強の兵器”と言われる所以だ。隠密行動を取る潜水艦に対抗するには、やはり潜水艦が一番だ。日本も2010年の『防衛計画の大綱』に因り、潜水艦を従来の16隻から22隻に増強する方針が決まっている。この3月9日には、川崎重工業が新型潜水艦『こくりゅう』を防衛省に引き渡した。現在の日本の主力潜水艦は『おやしお』型だが、『こくりゅう』は『そうりゅう』型。一体、『そうりゅう』型の何が凄いのか?




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「実は、“そうりゅう”型のステルス性能(静音性)は世界最高なんです。これは、潜水艦に液体酸素を蓄え、大気が無い海中でもエンジンを動かせるAIP(大気非依存型動力機関)といわれるもの。従来は、海面に吸気口を出して空気を吸い込む必要がありました。この時に発見され易いという大問題があったのですが、大気に依存しないAIPに因って、水中航続性能が大幅に向上したのです。中国の五月蝿い潜水艦とは天と地の差です」と、フォトジャーナリストの柿谷哲也氏。エンジンだけでなく、高寿命の電池も特徴的だ。電池だけで動いていれば、モーター以外の機関が殆ど稼働しない為、非常に静か。潜水艦同士の戦闘は、先に敵を探知したほうが勝つのだ。加えて、『そうりゅう』型は原潜を除けば世界最大なので、十分な燃料や装備を載せることができる。「更に、艦の全面にソナーを搭載しているので、同時に6目標を追尾・攻撃できます」(菊池氏)。中国の進出を受け、世界最高の日本の潜水艦に海外から熱い視線が注がれている。既に、オーストラリアには技術供与する方針が決まった。今後、ドイツ・フランスと受注競争が始まるが、日本が最有力候補だ。また、インドも6隻購入する意向を示している。「アメリカとは無人潜水艦の建造で合意していますし、上手くいけば今後、日米豪印が連合して中国に対抗することになります」(柿谷氏)。従来、日本は『武器輸出3原則』に因り、他国に武器を輸出することができなかった。「しかし、昨年制定された“防衛装備移転3原則”に因って、条件付きで武器輸出が可能になりました。実際にはまだ武器輸出の仕組みは整っておらず、現地駐在費等の輸出に関わるコストを誰が負担するか等、細部は決まっていません。とはいえ、今年10月に“防衛装備庁”が発足するので、今後は態勢が整っていく筈です」(防衛ジャーナリストの桜林美佐氏)

前出の柿谷氏は、「オーストラリアには中国の移民が多く、日本のハイテク技術が流出する可能性もある」と言うが、機密保持も含め、オーストラリアへの潜水艦供与が今後の試金石になるのは間違いない。当然その先には、中国の横暴に悩むべトナム・タイ・フィリピン・シンガポール等の東南アジア諸国への協力も想定される。アジアを真っ赤に塗り替えようとする中国の“紅い野望”を、日本の“潜水艦包囲網”が粉砕するのだ。


キャプチャ  2015年6月9日号掲載


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テーマ : 中国問題
ジャンル : 政治・経済

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