【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(20) 日本をホメる外国人を無邪気に受け入れる“バカ”を卒業しよう

近年、NHKでも民放でも“日本礼賛型”のバラエティ番組が増えています。そこで重用されるのが、流暢な日本語で只管「日本は素晴らしい」と言ってくれる外国人タレント。“日本をホメる外国人枠”が明らかに存在します(実は、僕もこの役割を求められたりします)。当たり前の話ですが、実際にはそういう日本語ペラペラな外国人は極一部。99.9%は“日本語を話せず、日本に興味も無い”人々です。しかし、そんなことすら考えもせず、多くの人が無邪気に喜んでいる現状は結構ヤバい。

この“日本礼賛”に代表されるメディアの劣化は、ドキュメンタリーや報道のジャンルにも表れています。テンプレート化した“お涙頂戴”のストーリーに合致する答えだけを探し、切り貼りしていく。取材に十分なリソースを割かず、専門家でもないコメンテーターに“予め決まった結論”を語らせる……。テレビも紙媒体もインターネットも、一様に“落としどころ主義”が横行してファストフード化しています。勿論、海外にもファストフード化したメディアはありますが、英語圏では優秀なジャーナリズムがトップに君臨している為、ある程度の淘汰作用が働く。影響力のあるメディアは、あまり乱暴なやり方はしない。こうした競争が起こらないのは、日本語という“ガラパゴス”の弊害もあるかもしれません。その為か、多くの日本人はメディアに対して客観的な視点を持っていない。例えば、「“報道ステーション”に政権から圧力があったか無かったか」という騒ぎにしても、大前提として視聴者が“テレビ”や“報ステ”という看板を過大評価していたから起きたこと。「抑々、あの番組は“小さなカンシャク玉”を投げては騒ぐファストフードニュースじゃないか」という冷静な視点があれば、賛否どちらもあそこまで熱くはならなかったでしょう。それに、メディアは一方的に劣化している訳ではなく、受け手側のニーズに応えて“作品”を作っています。そのニーズを一言で表せばこうなるでしょう。「毎日、驚きや感動が欲しい」




「インスタントにカタルシスを感じたい」という需要に応じて、メディアは意図的に人間の心理を擽る“感動的なネタ”や“わかり易い怒り”をプロレスのように提供し続ける。すると、受け手側はだんだんリテラシーが低くなる――はっきり言えば“バカ”になる。それに合わせて、本当は複雑な現実をよりインスタントに、4コマ漫画的な単純な展開に落とし込んだ“作品”が作られる。この共依存の結果、全体の知的レベルが下がっていく……。完全に負のスパイラルです。最早、作り手の側からこの状況を変えることは難しい。先ずは、受け手の側が“バカな消費者”を脱するしかないでしょう。依存症の更生プログラムに着手し、意志を持ってマーケットに「ファストフードは食べない」というシグナルを出す――つまり、レベルの低いメディアは相手にしない。現実の本当の面白さを提示してくれる、噛み応えのあるメディアをきちんと評価できる体力をつける。そこから始めれば、少しずつメディアの側も変わっていく可能性はあると思います。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『チャージ730!』(テレビ東京系・不定期)等に出演中。


キャプチャ  2015年6月29日号掲載


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