教団の実権をめぐって親族が骨肉の争いの果てに――PL野球部、廃部へ“カネがねえ”

来年、あの名門野球部から1年生が消える! PL野球部“廃部危機”の裏にあった教団の懐ろ事情。

小早川・清原と桑田・立浪・今岡…。80人以上のプロ野球選手を生んだ名門・PL学園高校野球部。今年夏の予選も野球経験のない校長が監督を務めるなど混乱の続くなか、来年度の部員の受け入れを中止することが10日、明らかになった。学園を運営するPL教団のパワーバランスの変化など、さまざまな要因が報道されたが、PL教団側は「いっさいコメントいたしません」(広報担当者)と、その理由について、固く口を閉ざしている。PL学園高校の元野球部長で富田林市議の西川宏郎氏は、「このところ下級生への体罰など不祥事が続きました。今回の件はあくまでも部員の暴力の連鎖を断ち切るためのもの。教主も含め、苦渋の決断だったんです」と語る。だが本誌の取材によると、原因はPL教団の窮状にあるという。




大阪府の南東部、羽曳野丘陵の一角にPL教団の聖地がある。学校だけでなく、PL病院やゴルフ場・人形劇団などを有し、かつてはPLランドという子供向け遊園地も運営していた。広大な敷地の北側にPL学園は位置する。ちょうど登下校の時間にあたるはずなのだが、それほど多くの生徒は見当たらない。2011年の時点で高校の定員480名に対し、322人、中学は定員240名のところ166人と、定員割れが続いているのだ。全盛期は中高合わせ1300人の生徒数を誇り、甲子園での一文字はPLの代名詞だった。だが、それを作れないほど生徒数が減少しているのである。

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近くの高台から見下ろすと、廃墟のような建物が目に入る。2009年に廃校になったPL学園女子短期大学の校舎だ。また、学園の横には教職員用の5棟の宿舎が立ち並んでいるが、近隣住民は、「奥の2棟は完全に無人。残りの3棟もほとんど人はおらんでぇ」と語る。今度は敷地南側にある大平和祈念塔に行ってみた。地元ではPLタワーと呼ばれているモニュメント。かつては観光客でごった返していたのだが、現在は展望台まで昇ることができない。「エレベーターしかなく、災害が起こったときに救出できないので、ここ10年は信者も含め立入り禁止です」と管理人は語るが、「改修するお金がないのではないか」という噂は絶えない。

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例年8月1日におこなわれる『PL花火芸術』。日本最大級といわれて久しいが、「年々しょぼなってきてんねん。去年なんか1時間で終わってもうた」と地元民は口をそろえる。教団の衰退は各地域の施設の数にも現われている。教会・布教所数は2001年から2011年までの10年間で、421から351に減少しているのだ。「教会は各地域の教会員の浄財で買ったものなのに、売却資金は本部に吸い上げられたため、整理された地域の教会員はほぼいなくなった」。そう教団関係者は肩を落とす。資産売却は地域の教会用地にとどまらない。2011年12月には富田林市中心部にある1300㎡の土地を売却。当時の路線価で計算すると1億1000万円の価値があった。

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大正時代に立教されたPL教。3代目の御木貴日止教主(56)は17歳で東大理科1類に入学した秀才だ。だが、「温厚で、人柄も問題ないが、それが災いしてカリスマ性に乏しい」(宗教アナリスト)ためか、1983年に『おしえおや』を継承以降、信者は減少の一途を辿っている。2007年、貴日止氏が硬膜下出血で倒れると、夫人である美智代氏(53)が教団の表舞台に登場するようになり、お家騒動が勃発した。貴日止氏の姉である御木白日氏(84)と対立。2009年には、白日氏は住んでいた建物の電気・ガスなどを止められ、退去を迫られたと告白したのだ。当時、白日氏を取材した記者は、「あのころ、白日氏は教団敷地内に軟禁状態だったので、接触するのに苦労しました」と思い起こす。教団元職員にその後の消息を聞くと、「白日さまは富田林にはおられません。東京にお住まいです」と言うだけで、あとは口を濁す。

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教主・貴日止氏(左)と美智代氏(右)。「最近は美智代さんが壇上で話すこともあります」(関係者)。『自己表現』(芸術生活社)2013年10月号より。

先の関係者は告白する。「3代(貴日止氏)が倒れてから、美智代氏の専制が始まりました。でも、教団の組織を破壊してしまったため、衰退が止まらない。今年の7月24日に2代(前教主の故・徳近氏)の妻である久枝氏が104歳で亡くなりましたが、人望のあった方であるにもかかわらず、寄付はほとんど集まっていません」。さらに野球部については、「部の支援に熱心だった幹部が亡くなってから、予算が以前のように、潤沢には配分されなくなりました。そもそも、3代も美智代さんも野球にそれほど興味はありませんから」という。18日の近畿大会でPL野球部は1回戦で敗退。PL学園の校歌は“永遠の学園”で終わる。甲子園でこの歌をまた聴くことはできるのか。


キャプチャ  2014年11月4日号掲載


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