【私のルールブック】(08) 別れる時は綺麗に別れる

夫婦喧嘩は犬も食わない。しかし、歌舞伎役者が「別れた」と言っているのに、崖っぷちアイドルが「別れていない」と言い出すと、マスコミの格好の餌食となる? この一件、連日メディアで面白可笑しく取り上げられておりますが、私もとある番組でコメントを求められ、一応“男寄り”の意見を述べさせて頂きました。とはいえ、時間に限りがあり過ぎるテレビ番組で全てを語れる筈もなく、今回はこの痴話喧嘩を元に、“別れ方”をテーマにしてみようと想います。では、先の2人の痴話喧嘩は何が拙かったのか? 男と女の色恋沙汰において、どちらか一方だけが悪い筈もなく、ボタンの掛け違いがあったからこその騒動な訳でありまして。要は、「男が“綺麗に別れること”を省略しちゃったのではないか?」と。「じゃあ、締麗に別れるってどうすればいいんだ?」ってことになるんですが……。

私の場合は仮令、私のほうが「別れたい」と思っても、自分から別れを切り出すことは先ずしません。その代わり、会う頻度を徐々に減らしていき、連絡も右肩下がりに途絶えがちにすることで、女性に「若しかして?」と想わせる。そして、女性側からクエスチョンが来るまで只管待つ。痺れを切らしては絶対にダメです。且つ、この時点で藤原紀香さんのような美女からの誘惑があったとしても、踏み止まる強い理性が必要とされます。そして、女性から「何かあった?」と連絡が来たら、いきなり「別れたい」ではなく、「何か巧くいってないよね」程度に止めておきましょう。何故ならば、「巧くいってない」というワードだけで充分に“別れ”の臭いは伝わる筈ですから。で、勘が鋭い女性ならばスムーズに別れ話に進むでしょう。一方で、「別れたくない」という意思表示をしてきた場合は半分だけ受け入れてください。半分とは? 「ちょっと距離を置いてみようか」ということ。苛々するでしょ? 「そんな小細工使ってねぇで、とっとと別れちまえよ」って思うでしょ? でもね、肝心なのは相手の女性が自らの判断で別れの道を選ぶことなんです。そこに導く為ならば、どんな労力も払わなければならない。だって、泥沼は勘弁だから。お互いにとって、泥沼は憎しみを生むだけだから。決して“愛憎”にしてはいけないんです。まあ、女性が聞いたら大顰蹙ですよね。でも、危険なのはまさにそこで、「中途半端に正義感を持ち出したり、嫌われてもいいから、正々堂々潔く行こう!」等と思ってはダメ。“綺麗”なモノを生み出す為には、時に汚れ仕事が必要なんです。汚れに耐え得る覚悟が無いなら、綺麗事は言わないほうがいい。




歌舞伎役者と崖っぷちアイドルの話に戻りますが、別れ方を締麗にしないから、省略しちゃうから、ああいうことになっちゃうのよ。今や何でもアリの芸能界。2人で話し合えばいいものを、あろうことかテレビに出て泣きながら「別れてない!」と叫ばれる。痴話喧嘩の経緯なんてどうだっていい。この想定外の反則技を使った時点で、私はドン引きしましたから。でもね、他人事と思っちゃダメ。コレをいい教訓としないと。どうします? 貴方の会社で「別れてない!」って叫ばれちゃったら。それが嫌なら焦っちゃダメ。省略しちゃダメ。綺麗に別れなきゃダメなんですよ。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2015年7月2日号掲載


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