【東京いい店やれる店】(08) 代々木上原の築60年の古民家に、あの『キャンティ』が!

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明治末期に設立された映画会社『日本活動写真』(現在の日活)の初代社長である後藤猛太郎伯爵の婚外子・川添浩史は、若くしてパリに学び、フランス映画の輸入に携わり、第2次世界大戦後は歌舞伎のヨーロッパ公演のマネジメントの仕事で偶々立ち寄ったイタリアのジェノバで、イタリア人彫刻家の妻・岩元梶子と出会って激しい恋に落ち、其々が家庭を捨てて再婚。夫妻はヨーロッパ生活の経験を生かし、1960年に飯倉にイタリア料理店を出店した。それが、東京で最もロマンチックな歴史を持つレストラン『キャンティ』である。店は軈て浩史の二男・光郎に引き継がれ、その光郎が2010年に亡くなってからは、息子の隆太郎に引き継がれている。『キャンティ』が今も東京のハイソの間で特別な人気を博し続けている理由は、その日のメインの食材や前菜をズラリとワゴンに並べて客の前に運び、客の細かな指定を求めるオーダーシステムにある。それがイタリア料理の知識を持つインテリの自尊心を擽る為、リピーターが絶えないのだ。その『キャンティ』がこの4月、久しぶりに飯倉本店と西麻布店に次ぐ3号店を、代々木上原の井の頭通りから1本折れた路地に出店した(ケーキ店とカフェは丸ビルと銀座松屋デパートにもある)。物件は、フードコーディネーターの野村友里が2009年から昨年まで『イリ』というイタリアンをやっていた築60年の木造一軒家。『イリ』が閉店したのは建物の耐震強度の問題だろうと思っていたら、『キャンティ』が居抜きで入ったからそういう理由では無かったようだ。

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代々木上原店の売りはグリル料理。店が狭い為、ワゴンに依る食材のプレゼンテーションを止めて、その代わりに前菜を3種から5種の盛り合わせに統一(なので、知識が無くても大丈夫)。勘定は、2人で普通に食べてワインも1本飲んで2万9460円。代々木上原のイタリアンとしてはバカ高いが、『キャンティ』としては安い部類だ。『キャンティ』は“食べロガー”を寄せ付けない店なので、オープン2ヵ月後の今も『食べログ』上の口コミは1件のみで、点数もついていないが、内装も客層も申し分無いので、“やれる度”は相当高い(2ツ星評価は久しぶり!)。唯一の難点は、代々木上原というロケーションが都心に勤める会社員やOLにとっては遠過ぎることか。因みに、都心のイタリアンで今一番ハイソを集めている店は、昨年10月にパチンコ会社『フィールズ』の子会社である『フィールズジュニア㈱』が六本木ヒルズウェストウォーク5階に出店した『イルブリオ』だが(前に行った時は黒柳徹子と野際陽子が食事していた)、この店はシェフが『キャンティ』出身で、フロアスタッフは『キャンティ』を辞めた人たちが作った『アッピア』の出身。序でに、店舗デザインも『アッピア』を手掛けた宮崎雅仁。当然、注文時のワゴンに依るプレゼンテーションも『キャンティ』と同じ。つまり、『キャンティ』の甥っ子・姪っ子とも言える店である。東京の富裕層の『キャンティ』志向は、まだ当分衰えそうにないようだ。


キャプチャ  2015年7月7日・14日号掲載


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