【新聞不信】 安保法案、今こそ新聞の出番だが

安保関連法案を巡る安倍首相の答弁が揺れている。11日付毎日の朝刊1面は、安倍首相が10日の国会で、集団的自衛権を行使できる状況について、従来の「アメリカ軍の戦艦にミサイルが発射された段階で判断できる」という答弁に代わり、「アメリカ軍の戦艦が攻撃される明白な危機がある段階で認定が可能」と述べたことを報じた。毎日は、「政府が集団的自衛権行使の可否を柔軟に判断できる可能性」を指摘する。同日の朝日は朝刊1面等で、憲法学者209人に同法案の合憲性を尋ねる“安保法案アンケート”を実施し、122人から回答を得た結果、「“違憲”104人、“合憲”2人」の回答を得たと伝えている。衝撃的だったのは、政府が集団的自衛権行使容認の根拠とする、1959年の『砂川事件』の判決についての見解。同判決が集団的自衛権を「認めていない」と答えた人は95人に対し、「認めている」とした人は僅か1人だけ。このアンケート結果を見る限り、憲法学者の殆ど全ては法案の合憲性に懐疑的だということがわかる。中には、「苦し紛れ。政府の便宜主義と知性の欠如」との痛烈な批判の声まである。この結果を受けて、社会面では「解釈の限界超える」「政府は論理的破綻」との見出しを掲げているが、これが憲法学者の“総意”になりつつあるというのが現実の姿である。「政治家が学者の総意に振り回される必要は無い」という考えもあるだろうが、専門家の間でさえこれだけの疑問の声が上がっている問題について、国民が納得できる説明が尽くされたとは言い難い。

一方の読売は、今や安倍首相の“私設応援団”といった趣だが、10日付朝刊4面に『安保法案 理解少しずつ増加』という囲み記事を掲載。9日の会合で、安倍首相が安保改定を果たした自身の祖父・岸信介を引き合いに出し、「安保も大変な反対があった。祖父は『50年すれば必ず理解される』と言ったが、25~30年で支持が多数になった」と語ったと紹介した。「時間が全てを解決してくれる筈」と言わんばかりだが、それを言うなら時間をかけるべきは今の筈だ。真っ先にそう声を上げるべき新聞が率先して“昔話”で煙に巻かれている状況は、国民の不幸と言うしかない。 (翼)


キャプチャ  2015年7月23日号掲載


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