【言葉尻とらえ隊】 「生徒殺人学校」――尾木直樹ブログ(2015年7月8日)

尾木直樹がブログで、苛め自殺が起こった岩手県の中学校をこう書いていました。先ず、教育評論家が現存する公立の中学校をこんな乱暴な言葉で罵倒するのが信じられない。事件に対する怒りはわかるけれど、その感情をこんな幼稚な言葉で表現しないと気が済まない人だとは。今も在籍する多くの生徒はどう思うんだろう。尾木直樹は校長や担任教師を激しく批判していますが、大多数の世論は尾木と同調しているようです。特に、“生活記録ノート”というしっかりとした記録が残っていた為、ノートへの対応が不適切だった担任は、まるで主犯であるかのようにバッシングを受けています。インターネット検索で“矢巾”(事件が起こった地名)と打つと、関連ワードの先頭は“担任”。個人名の特定も時間の問題。しかし、これは苛め事件なので、確実に加害者がいて、誰より悪いのは加害生徒たちや親である。偶々、わかり易い“証拠”があった担任を袋叩きにするのは、結局苛めの構図と変わらない。読売新聞に依ると、担任は生徒から慕われており、被害者も泣きながら相談するほど信頼していたらしい。また、担任は苛めた生徒を何度も叱っていたとの証言もある。そして、生徒全員の“ノート”に毎日のようにコメントを返していたのである。これらは全部打ち消され、ノートに残った幾つかの素っ気無いコメントだけで、彼女の全人格は否定されている。尾木直樹は「これは教育殺人」とまで言っているけど、彼は事件全体を見る前に、表面に浮かんだ責め易い人を取り敢えず叩き捲っているように見える。これは、単に自分の憤りを晴らす為の行為である。若し、こんな問い詰め方をして担任が自殺してしまったら、彼はそれを何殺人と呼ぶのだろうね。


能町みね子(のうまち・みねこ) エッセイスト・フリーライター・イラストレーター・漫画家。1979年、北海道生まれ。『オカマだけどOLやってます。』(竹書房)・『くすぶれ!モテない系』(ブックマン社)・『ひとりごはんの背中』(講談社)等著書多数。


キャプチャ  2015年7月23日号掲載


スポンサーサイト

テーマ : いじめ
ジャンル : 学校・教育

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR