【ゆうちょ銀行&郵便局の株式上場が必ず失敗する理由】(05) アメリカが狙う2万4000ヵ所の販売網――TPP加盟で『かんぽ生命』は“ジリ貧”生保業界を活性化させる!?

日本郵政はTPP発効後、外国企業も日本企業と公平に扱うことが求められる可能性が高い。ジリ貧の保険業界はTPP加盟でどうなるのか? (取材・文 平木恭一)

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交渉は大詰めとも言われているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)だが、5月上旬に気になるニュースが入ってきた。TPPの“国有企業規制”に日本郵政が入る見通しになったというのだ。これが現実化すれば、日本郵政はTPPの発効後は外国企業も日本企業と公平に扱うことが求められる。かんぽ生命が提携している外資系生保はアメリカンファミリー生命(アフラック)等数社があるが、「かんぽ生命と新たに取り引きしたい」と海の向こうからリクエストがあれば、その声は無視できなくなる。この規制を外れるには、国が日本郵政の株式保有を50%以下にしなければならない。しかし、それは直ぐには無理と言われており、子会社のゆうちょ銀行・かんぽ生命の2社はTPP発効後、国有企業規制の対象になる。アメリカはTPP交渉が始まる以前から、生損保を含めた日本の金融業界の閉鎖体質に対して、再三に亘って改善要望を出してきた。自国の企業が経営難に陥るような経済政策に反対の狼煙を上げるのがアメリカである。それが、TPP交渉参加の直前に起きた。アフラックとかんぽ生命との業務提携だ。TPPを巡る日米事前協議で2013年、国の関与が残るかんぽ生命の事業拡大に対して、アメリカは自国の保険会社が不利になることを懸念する表明を出していた。アメリカ系企業ながら、売り上げの8割を日本で稼ぐアフラックへの支援が狙いなのは明らかだった。これを受けて、政府はかんぽ生命に依る新商品の申請について、当面見送る方針を明らかにした。その直後、かんぽ生命はアフラックと“癌保険”の販売提携を結んだ。その後、日本政府がTPP交渉に初めて参加した為、「この提携は、TPP交渉参加に対するアメリカへの返礼」との声が上がった。

そして2015年。秋にはかんぽ生命が上場する年に、アメリカはTPP交渉を睨みながら、従来以上に保険分野における商品・サービスの対外開放を声高に叫ぶだろう。アメリカが目指すのは、自国で販売している保険商品を日本で販売することだ。既に、アメリカの有力生保は日本に進出している。後は、商品が認可されるだけである。有力な商品の1つとして注目されているのが、『現物給付型保険』だ。これは、加入すれば介護施設の優先入居権が貰えるような保険で、欧米では普及している。業界関係者がこう話す。「我が国の保険はお金で支払う金銭給付型で、現物給付型は認められていない。しかし、日本の保険市場は飽和状態にあり、保険業界も画期的な新商品を欲しがっている」。現物給付型保険は、数年前から金融庁の保険審議会等で検討の俎上に上がっており、大手生保からも待望論が出ている。当局も、介護や葬儀のサービス料金を保険会社が負担する新種の保険に対して、前向きなスタンスにある。ただ、保険業法の改正が必要で、実現は容易ではない。日本は、国民1人当たりの保険料がアメリカに次ぐ世界第2位の保険大国だが、少子高齢化に加えて若年層の可処分所得の減少で、保険加入のインセンティブは希薄になり、我が国の保険を取り巻く経営環境は劣悪だ。TPPが発効すれば、かんぽ生命はアメリカからの規制緩和要望を突き付けられるだろうが、それに依って保険業法が改正され、現物給付型等の保険新商品が認可される可能性も出てくる。TPP加盟で、かんぽ生命は生保業界を活性化させるという奇妙な現象を齎すかもしれない。


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テーマ : 郵政民営化
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