生データをスクープ入手! 幹部までが次から次へと辞めている――第2次安倍政権発足後に自衛隊の退職者が激増、衝撃の数字と隊員たちの肉声

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最も退職者が多かった陸上自衛隊の元陸将・福山隆氏に依れば、「アメリカにとって、日本は中国が太平洋に出て来ないように見張る番犬」。

「ここ数年、防衛大学校卒業生の任官拒否が増えています。任官した自衛官はどうなのかと思い、防衛省に資料を請求したところ、やはりという結果でした。2012年12月の第2次安倍政権成立後、退職者が急増しているのです」。そう話すのは、沖縄県選出の照屋寛徳衆議院議員(社民党)である。照屋氏が入手した防衛省の資料を見ると、2011年の自衛隊員の退職者数は陸・海・空を合わせて1万940人だった。それが2012年に1万1968人と、1000人以上も激増。翌年は横這いだったものの、2014年は1万2500人と再び急増した。3年前と比べ、1500人以上も自衛隊を辞める隊員が増えているのである。2014年度退職者の年代別内訳を見ると、20代が全体の43%、50代が47%と突出し て多かった。階級別では、下級士官の“曹”と“士”で全体の76%を占め、尉官・佐官・将官ら“幹部”(約18%)がこれに続いている。照屋議員が解説する。「2014年1月、安倍首相は施政方針演説で自衛隊の海外派遣について触れていますし、7月には集団的自衛権行使を容認する閣議決定を行っています。そうした流れを見て、自衛隊員たちは不安になったのでしょう。専守防衛の使命感を持って入隊したのに、話が違う。このままでは、アメリカ軍と一緒に地球の裏側まで戦争に行かされかねない。国連主導の平和維持活動で世界に出ていくならまだしも、戦争で人を殺めるなど真っ平――。そんな心情がこの数字に表れているのでは」。実際、「防衛省は引き留めに必死で、防衛大学校で任官拒否が増えたことにもピリピリしている」(防衛省関係者)といった声もあるが、当の自衛隊員たちの本音はどうなのか?




今回の安保法改正に依って、自衛隊員の中に漠然とした不安が広がっているのは事実だ。「安保法制を整備しなければならないのは、その通りだと思います。でも、例えば同盟国軍や民間人が危険に曝された時に武器を使って助ける“駆けつけ警護”等は、実際にはどうなるのか。本当に認めるのであれば、業務も装備品も変わるでしょう。まだまだ手探りなことが多過ぎる。台湾海峡でのキナ臭い動きにアメリカ軍が介入した場合、日本の海上自衛隊はどう展開するんでしょうか」(40代の海上自衛隊員)。突然、海外での戦闘が現実味を帯びてきて、その心構えが自衛隊員にできているかというと、当然ながら心許無い。先が読めない不安は、現場の隊員は勿論だが、それ以上に隊員の肉親の間でより増幅していると言っていい。あるベテラン自衛官が言う。「自分は自衛隊に残りたいが、家族や親兄弟が反対するから辞める。これから、そんな隊員が出てくると思います。現に、私の周回でも『これから何かあったら家族が心配だ』という声が聞かれます。実際に私が知る隊員の父親は、『早く息子を(駐屯地の)北海道から呼び戻さなきゃいかん』と心配していました」。自衛隊員にとって、“死”が現実味を帯びてきている。嘗て、航空団司令を経て2006年にイラク派遣航空部隊指揮官を務めた、元空将の織田邦男氏が言う。「あまり知られていませんが、これまでに訓練や災害派遣で1851名もの自衛官が亡くなっています。メンタルが傷ついて自殺した人も多い」。人が戦場に派遣されるとはどういうことか。織田氏の話に耳を傾けるとよくわかる。「私は2年8ヵ月間イラクに派遣されましたが、撃たれずに帰ってこれたというのは幸運以外の何物でもない。実際、我々の15分前に飛んだイギリス空軍の輸送機が地上から銃撃され、女性兵士が1人亡くなっています。同じ航路を使っていましたから、自衛隊員が犠牲になっても可笑しくなかった」

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安保法案が原因で辞めていく隊員もいるが、「業務多忙で嫌気が差して辞めていく人も多いように思います」と言うのは30代の陸上自衛隊員である。「例えば、大阪ではオスプレイを受け入れる為、陸自の各隊から人材が選抜されています。陸・海・空の各部隊で今後の海外展開を視野に入れた業務が増え、オーバーワークで潰れる隊員が出てきているのです」。また、別の現役隊員は「今後の新入隊員の募集に影響が出るのは避けられないと思います」と、リクルーティングへの悪影響を懸念する。「景気が少し良くなると、セカンドキャリアを求めて民間に転職するケースが多々あります。実際に、自衛隊のキャリアを必要としてくれる職場は少なくありません。20代の退職者が多いのはその為でしよう」。一方で、50代、そして幹部クラスの退職者が多いのは何故なのか? 北海道で戦車連隊長や戦車部隊指揮官等を歴任した木元寛明氏は、定年退職した日、それまで抱えていた巨大なストレスから解放されている。「命令があれば我々は動くし、動けば死傷者が出る可能性がある。私なら、『若し先に撃たなければこちらが死ぬ』という状況であれば仮令、法律違反になっても『撃て』という命令を出したと思います。命令書に自分の名前をサインすることで公式の命令になるのですが、これは私が部下に『死ね』と言っているのと同じ。定年になって先ず、『これでもう金輪際、部下に死ねと命令しなくてもいい』とホッとしたのをよく覚えています」。木元氏が知る、イラク派遣部隊を指揮したある幹部は、部下に1冊ずつノートを与えて日記を書かせた。「万が一の時、部下たちの遺書になると考えてやらせたものだった」と木元氏は思っている。「戦死者が出るということと、政府は真正面から向き合うべきです。国家の命令で死傷すれば、それに見合った名誉や処遇を与えないと、現場で任務に当たる隊員はたまらない。そこのところが全く語られていないのが、私は不満です」

嘗て、自衛隊員が加入していた保険は“戦時”では適用されず、その後、戦時適用の保険が作られている。だが、自衛隊員に必要なのはそうした制度だけではない。護衛艦隊の司令官として海上自衛隊のインド洋派遣を指揮した、元海上幕僚長の古庄幸一氏が打ち明ける。「世界の為、国の為、隊員たちは血を流す覚悟はできている。2001年の同時多発テロ事件を受け、アメリカがアフガニスタンに報復するに当たり、日本が有志連合の一員に加わった時もそうでした。イージス艦“こんごう”を含めた3隻で対テロ戦争に協力する予定でしたが、政治の介入で計画がコロコロと変わり、最終的に洋上補給(給油)になった。こうなると、隊員たちの士気を維持するのが大変です。“ガソリンスタンド”と揶揄される部下たちが惨めでならなかった。大義名分さえしっかりしていれば、我々に命を投げ出す覚悟はあります。逆に、それが無ければ現場は厳しいと言わざるを得ない」。実は最近、霞が関で“起訴休職三等陸佐”なる人物が書いたという小説が出回っているという。「噂の段階で実物を見たことは無いのですが、そこには『今回の安保法制改正後、PKO活動で海外派遣された自衛隊員が誤って民間人を撃って死なせてしまった』という話が書かれているそうです。PKOは非戦闘地域が前提だから、そこでの民間人誤射は国内法で裁かれ、殺人に該当する。PKOだろうが、“存立危機事態”の後方支援だろうが、戦地に派遣されて身の危険を感じたら撃たざるを得ない。話は小説ですが、設定は現実そのもの。撃たれて死ぬか、撃って殺人罪か――。究極の選択です」(キャリア官僚)。今回、本誌が入手したこの退職者のデータが、“アベの兵隊”となる自衛官たちの迷いと恐れを如実に示している。


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『F-4』戦闘機のパイロットを経てアメリカ空軍大学に留学した元空自司令官の織田氏。


キャプチャ  2015年8月7日号掲載
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