【私のルールブック】(13) 煙草は止めない!

私はヘビースモーカーである。チェーンスモーカーの域に達していると言っていいかもしれない。1日の喫煙本数は凡そ100本。20本入りなら約5箱の計算となる。「喫煙者が隅っこに追いやられたこのご時世に、よくこんだけ吸うよね~」って感じでしょ。でもね、愛煙家には愛煙家なりの吸わざるを得ない理由があるんですよ。“愛煙”とは少々ズレた、各々の事情がね。私の場合は、1つは体重維持の為。現在の体重は64kg前後なんですが、そんな私が禁煙したら、間違いなく80kg近くに到達していると思われます。では、私が80kgになったらどうなると思います? 間違いなく仕事は減りますよ。安易に「“でぶキャラ”になればいいじゃん」って言い出す人がいるかもしれませんが、“でぶキャラ”を舐めちゃいけません。アレだってね、なるべき人がなって成立している希少なキャラクターなんです。でぶに合う骨格だったり、性格から滲み出る人柄だったりってね。俄かで務まるよ:うなポジションではない。抑々、80kg程度じゃでぶキャラにもなりませんから。よって、禁煙をしてしまうと中途半端に太るだけで、職を失う可能性があるから止めないほうがよい。

次に、あまりに神経質過ぎるので、煙草が無いとこれまで以上にキレまくってしまい、職を失う可能性があるから。今となっては、私は何を生業に生活しているのかわからない状況ではありますが、役者にせよバラエティータレントにせよ、監督にせよ演出家にせよ、文筆業にせよ子役スクールのプロデューサーにせよ、其々にストレスはありますから。何より、一番ストレスが溜まるのは……“書く作業”ですかね。意外でしょ? でもね、好きな順で並べたら文筆業がトップに来るんですよ。じゃあ、何で一番好きなのに最もストレスが溜まるんだってことになるんですが。1つは、「一番責任が重い仕事だ」と私自身が感じているからですかね。役者なら、セリフがあって監督のダメ出しがある。タレント業も同じこと。構成作家さんがいてディレクターさんがいて、要は共同作業な訳ですよ。じゃあ文筆業はというと、勿論、編集者の方はいらっしゃいます。いらっしゃいますが、私の場合は本業でない分、映画であれ舞台であれ本コラムであれ、書きたいモノを書くというスタンス。ということは、0からのスクートとなる訳です。




だって、書く前に書きたい題材が生まれないと何も始まらない訳ですから。ってことは、根本の題材選びから責任が生じるということになる訳です。究極の孤独な作業と言いますか。まあ、だからこそのやりがいがあるから続けていられるとは思うんですが、そのストレスたるや半端ない訳です。そりゃあ、煙草も増えますよ。筆が止まったら煙草の繰り返しなんだから――と、自分勝手な禁煙できない理屈を並べておりますが、最たる理由と致しましては……「こんなご時世になったからこそ」ですかね。どんだけ喫煙者を虐めれば気が済むのよ。「大人しく隅っこに追いやられてるじゃん。渋々、値上げにも従ってるじゃん」ってね。変なところでスイッチが入ってしまったと言いますか、私の中では闘いと化している訳ですよ。なので、余程のことが無い限り、止めるつもりはない訳です。ええ、止めませんから!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2015年8月6日号掲載


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