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【ゴジラに魂吹き込む】元俳優・中島春雄さん(01) 超満員・観客の表情、今も目に…怪獣らしさ、象の動き参考

60年前の1954年11月3日、映画『ゴジラ』は封切られた。その日、超満員の映画館で舞台に寄りかかっている男がいた。映画が始まってもスクリーンを背にしたまま。画面いっぱいに暴れているゴジラを演じた中島春雄さん(85)は、観客を見ていた。

面白かったね、お客さんの顔。マンガみたいでした。志村喬さんの科学者が説明をしているときは子どもたちのざわつく声が聞こえる。それがゴジラが出てくると目が据わってシーンとなる。外では1kmぐらい並んでいました。お客さんの顔つきを見ていると、ゴジラをやってよかったなと思いました。特撮担当の円谷英二さんも「こんなに人が行列したのは初めてだ」って喜んでいました。自分がなんでゴジラ役に指名されたのか分かりません。でも呼んでくれたのは本多猪四郎監督だと思います。本多さんの『太平洋の鷲』に出て、日本で初めて火だるまになる役をやりました。航空母艦の上で爆弾が爆発して僕が燃える。それを見て、中島だったらやれそうだと思ってくれたんでしょう。最初の作品から続けて、ゴジラは12本やりました。円谷さんからは「あんた俳優なんだから、俳優らしい芝居を考えてやってくれ」って言われました。怪獣になりきらなきゃいけない。上野動物園に1週間通って動物の動きを観察しました。一番参考になったのは象。象はすり足。足の裏を絶対見せない。重量感があるんですね。




自分自身のゴジラを創作したことが誇りです。顔は映らないけど、ラッシュを見れば動きで僕だって分かります。ハリウッドから声を掛けられたこともありました。キングコングを作った会社です。円谷さんが次回作があるからだめだって言うんで断念しました。俳優は仕事を与えられたら絶対断ることはできません。ちゃんと最後までやらなくてはいけない。役は自分で作り上げていきます。命をかけて考える。私できませんと言ったらもう廃業ってことです。「わざとらしくやるな」「リアルさを尊べ」と円谷さんは口酸っぱく言っていました。1984年以降の作品を一般に平成ゴジラといいます。平成のゴジラを見ると、違うなって思います。街をわざわざ壊していくんですから。平成ゴジラをやった薩摩剣八郎君に僕は言うんです。「わざと壊すのはおかしい、だめだよ」って。ゴジラは円谷さんが作ったんだからその精神を受け継いでほしいと思います。ゴジラは今年で60年。日米合わせて30作品ですか。キャラクターがいいから続くんでしょう。こんなにうれしいことはありません。2011年にはハリウッドがあるロサンゼルス市が市民栄誉賞をくれました。

               ◇

この連載は編集委員の三浦秀行が担当します。


キャプチャ  2014年11月4日付夕刊掲載


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