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【ゴジラに魂吹き込む】元俳優・中島春雄さん(03) 100kg超す重量、中は60度以上…自然な動き追求、NG1度だけ

ゴジラと出会うまで何度も俳優をやめようと思った。ゴジラ以降、円谷英二監督のお気に入りとなる。

何の役か円谷さんに聞きにいったら、2枚の絵コンテを見せてくれました。恐竜らしきものが描かれていたけど「どんなキャラクターか俺もわかんねぇんだよ」と。実際、どういう風に動けるか分からなかったのでしょう。さらに「怪獣は人間がやっているように見せるな。空想の世界だから、機械のつもりでやってくれ」と言われました。1ヵ月後に来た決定稿には『ゴジラ』と書いてありました。初めてぬいぐるみに入った時はびっくりしました。着ぐるみという言い方は最近でしょう。足のところにげたが入っています。100kgもあるので鼻緒じゃ持ち上がりません。ゴジラにはもう一人役者がいました。試しに歩いてみたものの、その人は3mでダウン。僕は10m以上歩けました。だからでしょうか、相方がやったのは国会議事堂を壊すワンシーンだけです。泣き言は一切言いませんでしたが、ある時ゴジラに寒暖計を入れてみたら60度もありました。最初のゴジラは左手が退化した作りになっていてあまり動きません。だから品川の鉄橋を持ち上げるのもほとんど片手で重かったです。




ゴジラはセリフがないので、動きですべてを表現しなくてはなりません。ト書きではただ土の中から出てくるとだけ書いてあったとき、体を震わせて背中の土を振り落としながら姿を現す演技をしたらスタッフが拍手してくれました。しっぽをより動かすため、ぽーんと蹴って歩いています。監督に認めてもらうためにずいぶん努力しました。円谷さんの特撮映画では僕が一番多く出ています。僕は12本のゴジラ映画と、怪獣・怪物を演じた14作品の特撮シーンで一発しかNGを出してません。銀座の服部時計店を壊す場面だけです。最初、普通にやったらそれは意味のない壊し方だということでNGになりました。どうやったらゴジラが自然に壊す描写になるだろう。そこでチーンと時計台の鐘が鳴り、何だろうなって感じで触れたら壊れるというアイデアを円谷さんが考えました。時計台は石こうなので、作り直しに1週間はかかります。今度は成功しました。趣味のスキューバダイビングも役に立ちました。『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』で背びれだけ出して水中を動くシーンがあります。カメラ用の移動車を水の中に沈めて、それにつかまって車で引っ張ってもらう。外を見るため首に開けた穴から水が勢いよく入ってくる。マウスピースが取れそうになるくらいすごいんです。

円谷さんが1963年に自分のプロダクションを設立するとき「スタッフは素人みたいなものだから、助けてやってくれよ」と言われました。ウルトラQ・ウルトラマンで僕の立ち回りがある時は、殺陣を任されていました。僕は怪獣役で、いつもやられる方でした。


キャプチャ  2014年11月6日付夕刊掲載


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